日本の中のアジア、在日中国人監督の2作がKAWASAKIしんゆり映画祭で上映―日本

Record China    2010年10月13日(水) 13時0分

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10月17日、「KAWASAKIしんゆり映画祭」で在日中国人監督、任書剣氏のドキュメンタリー映画「蒲公英的歳月」(たんぽぽのさいげつ) 、劇映画「私の叙情的な時代」2作が上映される。写真は「私の叙情的な時代」より。

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2010年10月9日(土)から開催される「KAWASAKIしんゆり映画祭」は今年で16周年を迎える。最終日の17日(日)には在日中国人監督、任書剣氏のドキュメンタリー映画「蒲公英的歳月」(たんぽぽのさいげつ) 、劇映画「私の叙情的な時代」2作が上映される。

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■ドキュメンタリー映画「蒲公英的歳月」(たんぽぽのさいげつ)日本/2003/中国語、日本語/60分

中国福建省の貧しい農村から、重婚や密入国までして日本へ次々家族を呼び寄せる中国人一家。不法滞在の不安もいとわず、国で待つ家族に仕送りを続けていく。急病になり、逮捕され、日本人に騙される。最低限の暮らしをしながら美容院やインターネットカフェを経営し、ビザや言葉の問題を抱えながらの彼らの生活は厳しい。本国の一族の生家では、家族がさまざまな思いで彼らを待つ。

本作品は山形国際ドキュメンタリー映画祭2003で上映された。また、2010年7月24日にはTBSテレビの「報道特集」で続編「中国人映画監督が撮影した…不法滞在者の実態」が放送された。同じ中国人とはいえ、犯罪者である不法滞在者一家へのアプローチは容易くない。それを可能にしたのは任監督の強い問題意識だろう。

■劇映画「私の叙情的な時代」(日本/2009年/99分/英題:My Lyrical Age)

任監督初の劇映画。第31回ぴあフィルムフェスティバルのPFFアワード2009で、企画賞(TBS賞)、技術賞(IMAGICA賞)、観客賞(福岡・名古屋)などに輝いた。

超シビアで現実主義者の中国人留学生・趙明を中心に、ルームメートの韓国人留学生、クラスメートの台湾人女子学生、バイト先で知り合った不法滞在者の中国人とその子供、中国ビジネスの成功を夢見る団塊世代の日本人男性などとの人間関係を、不法滞在による強制送還やインドネシアでの天災被害など様々なできごとを絡ませ、ユーモアに満ちながら冷静なタッチで描いている。

東京で繰り広げられる東アジアの多様な登場人物によるこの物語は、アジアの情勢をユニークな視点で描いた力作。そこからは「東アジアの縮図」が見えてくる。

なお、見所のひとつは、インディペンデント映画としては大物すぎる俳優・伊勢谷友介の出演。ワンシーンだが顔を出している。また、子役の繁田凌はその後、台湾や香港の広告に多く起用され、小学生でありながら芸能界で活躍している。

2010年10月17日(日)13:00〜

川崎市アートセンター アルテリオ映像館

「蒲公英的歳月」「私の叙情的な時代」2本立て上映

佐藤忠男(映画評論家)、任書剣監督、松江哲明監督によるトークイベントも開催。

●任書剣監督

中国南京生まれ、南京大学マスメディア学院卒業。1998年に留学生として来日し、日本映画学校や日本大学大学院で映像製作を学ぶ。2008年日本大学大学院にて芸術学博士号を取得。これまでドキュメンタリー映画を中心に製作し、2003年よりドキュメンタリー、報道などテレビ番組の製作に多く携わる。「私の叙情的な時代」は初の劇映画作品。



   

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