<尖閣問題><レコチャ広場>中国が犯した失敗=国際社会の警戒招く

Record China    2010年10月10日(日) 17時59分

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9日、琉球大学国際関係学部の林泉忠准教授は、ブログに亡き父にあてた手紙という形式で尖閣問題への論考を発表した。香港ラジオ局の番組「香港家族への手紙」に寄稿したものの再録となる。写真は中国人船長釈放を伝える中国紙。

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2010年10月9日、琉球大学国際関係学部の林泉忠(リィン・チュアンジョン)准教授は、ブログに亡き父にあてた手紙という形式で尖閣問題への論考を発表した。香港ラジオ局の番組「香港家族への手紙」に寄稿したものの再録となる。以下はその抄訳。

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先日、新聞に日本の18都市で中国に対する抗議のデモが行われたことを知りました。日本に長年住んでいますが、これほどの規模の「反中デモ」は聞いたことがありません。読売新聞の世論調査でも「中国は信頼できない」との回答が84%に達しています。この驚くべき数字は日中関係が最悪の状態になった2005年以上の数字です。

この夏、ボストンに滞在中、私は香港紙・明報などいくつかの媒体でコメントを発表しました。先日、ある中国本土の読者は私に尖閣問題で中国は勝利したのかと質問してきました。日本は中国の圧力に屈し船長を釈放したのだから表面上は中国が勝者に見えます。しかし今回の事件は、経済成長を後ろ盾とした「中国の台頭」に対する日本と国際社会の警戒心を呼び起こすものとなったこと、中国に対して友好的だった日本民主党政権を一気に米国へと接近させるものになったこと、日本の反中勢力を一気に拡大させたこと、日本国民の中国に対する信頼感を失わせ、中国人を嫌いにさせたことなどの問題があるというのが、私の回答です。

その読者はもう一つ質問をしてきました。私たち中国のやり方には反省するべきところがあったのでしょうか、と。私の答えはイエスです。外交では理を説くばかりではなく、実際的な効果も考えなければなりません。その意味では2点、反省すべき問題がありました。

第一にレアアースの対日輸出禁止という情報を広めたこと。第二に中国人船長を釈放したあと、謝罪と賠償を求めたことです。領土主権を守るのは重要ですが、有効な手段を追求しなければなりません。歴史問題に起因した2005年の日中対立。中国各地では大規模な反日デモが起こり、日本領事館、日本の自動車、日本レストランを破壊する騒ぎも起きました。本来ならば理があったはずの中国ですが、これでは国際世論の支持は得られません。ある講演会の後、1人の日本人にこう言われました。「私は中国が好きでしたが、今はもう嫌いになりました」と。問題があったとしても衝突を避け良好な関係を築くことが重要なのです。(翻訳・編集/KT)

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