内陸部から沿海部への「人口大移動」で地域格差の解消を―シンガポール華字紙

Record China    2010年10月10日(日) 10時51分

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6日、中国の著名な経済学者、樊鋼氏は、深刻な地域格差を解消するには発展が遅れている内陸部から大量の人口を沿海部に移動させることが不可欠だと論じた。写真は国慶節(建国記念日)連休で混雑する南京駅。

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2010年10月6日、中国の著名な経済学者、樊鋼(ファン・ガン)氏は、深刻な地域格差を解消するには発展が遅れている内陸部から大量の人口を沿海部に移動させることが不可欠だと論じた。シンガポール華字紙・聯合早報が伝えた。

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中国は改革開放後、沿海部と内陸部の経済格差が急速に拡大。海運の拠点という地の利を生かし急成長を遂げた沿海部に、発展の遅れた内陸部から大量の出稼ぎ農民が流入した。だが、そこに立ちふさがっているのが戸籍制度だ。農業戸籍の人間は都市部で生活し働いていても都市部住民と同等の社会保障が得られない。子供の教育の機会まで制限を受けている。

中国政府は「西部大開発」と銘打った格差解消政策で内陸部のインフラ整備を推進するなどの努力はしているが、同氏は「1人あたりの所得格差を解消するまでには至らない」と指摘。同氏によれば、巨大な富を持つ沿海部に内陸部から大量の人口を移動させ、富の少ない内陸部の人口を減らす。そうすれば、1人あたりの所得額は今よりさらに公平になるとしている。

同氏によれば、世界の多くの先進国も近代化の過程で大量の人口を沿海部に移動させており、中国も政府がこのまま人口移動を奨励し続ければ、地域格差の解消は実現可能だとした。農業戸籍と都市戸籍を明確に分けた現行の戸籍制度の撤廃までにはまだ時間がかかりそうだが、「それも徐々に廃止の方向に進む」との見方も示した。(翻訳・編集/NN)



   

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