中国は発展のメリットを国民全体で分かち合う必要がある―香港TV局

Record China    2010年10月9日(土) 3時11分

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30日、胡錦濤中国国家主席が、国内に存在する矛盾の緊迫性について指摘した件に関連し、香港の衛星TV局論説委員は、「社会安定のため、中国は発展のメリットを国民全体で分かち合う必要がある」と説いた。写真は中国の幼稚園で、無差別襲撃などの有事に備えた訓練。

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2010年9月30日、中国の胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席が、中国共産党中央政治局第23回集団学習会で国内に存在する矛盾問題の重要性と緊迫性について指摘した件に関連し、香港の衛星TV局・鳳凰衛視(フェニックステレビ)の邱震海(チウ・ジェンハイ)論説委員は、「社会の安定のため、中国は発展のメリットを国民全体で分かち合う必要がある」と説いた。4日付でシンガポールの聯合早報網が伝えた。以下はその要約。

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胡錦濤国家主席の指摘は、中国の指導者層が近年初めて「国内の矛盾」について触れたものであり、特に国慶節(建国記念日)前に発表されたことから、大きな話題となり注目を集めた。これは、中国の指導者層が、社会安定の重要性について正視し、かつ問題が国内の矛盾にあると客観的に判断したものであろう。

中国では目覚しい発展の過程で、経済と社会の様々な要の部分でひずみが生じたことにより、一部の民衆の利益が損なわれてきた。客観的に見ると、こうしたことは社会の安定性に大きな打撃を与え、必ず政治問題化する。

社会不安は、様々な形で表れている。一部地方では政府機関や共産党のオフィスビルに火が放たれたり、公安局が襲撃され警官が殺害されたりするなど、国民の不満の表現はエスカレートしている。公民の権利要求という点から、ストライキなども多数発生している。こうした事柄は相互に直接は関連し合っていないものの、背後に存在する深層の論理は同一である。

中国社会の構成は富裕者層と貧困者層に大きく分かれ、中間層が欠如してしまっている。問題は、富裕者層に対する敵意が生じてしまっていることだ。社会の底辺の人々が国家発展のメリットを享受できず、全く無視されていると感じた時、自己の権利の保護であれ、あるいは私的な恨みの発散であれ、いずれも公的機関が発散のターゲットとなるだろう。30年来の改革開放政策で最も成功した点は、民衆が富を築くことができるようになったことであるが、それに伴う法体制や監督体制、政府の機能が不全のまま、政府と民間企業の癒着などが横行しているのが現状である。

現在の国内の大部分の矛盾は、国民の忘れ去られた権利に対する訴求に由来しており、政党やその制度のあり方ではない。ただし、公権力による問題の把握が不適切であれば、矛盾は激化する可能性がある。(翻訳・編集/HA)

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