<調査>「消費より貯蓄」が顕著に=財布のひも緩めるカギは「社会保障の充実」―中国

Record China    2010年8月23日(月) 21時49分

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21日、中国の消費者は自分たちの未来を楽観視しているものの、医療保険や年金、子供の教育費に対する不安が大きいため、消費をなるべく抑え貯蓄に励んでいるという実態が、英調査機関の調査によって明らかになった。写真は江蘇省南通市の電器店。

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2010年8月21日、中国の消費者は自分たちの未来を楽観視しているものの、医療保険や年金、子供の教育費に対する不安が大きいため、消費をなるべく抑え貯蓄に励んでいるという実態が、英調査機関の調査によって明らかになった。人民網が伝えた。

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英国の調査機関エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが実施した調査で明らかになった。調査期間は2009年12月〜2010年3月。調査対象は都市部の富裕層1650家庭と農村部の低所得層1001家庭。都市部の対象者は学歴が高いホワイトカラー、最低1軒の持ち家、自由裁量所得が収入の3分の1以上。農村部の対象者は農産物の販売、工場や建設現場での出稼ぎで生計を立てている家庭が大半だった。

都市部住民について、上海や北京など大都市では67%が「収入の4分の1を貯蓄に回す」と回答、貯蓄率は中小都市より高かった。貯蓄に励む理由は「子供の教育費」「定年後の生活費」「急な病気やけがの際の医療費」の順に多かった。また、住宅購入の際、大半は多額の銀行ローンは組まず、貯蓄で足りない分は親戚・友人に頼ったと答えた。自家用車の普及率は61%に達し、全国平均の人口1000人あたり28台を大きく上回ったが、「環境汚染が心配」と考えている人も54%に上った。

農村家庭では、「近いうちに家にあるものを買い替える予定がある」と答えた割合はごくわずかだった。今後10年間に最も実現させたいことは、40%以上が「子供を大学に行かせること」と答え、「家を買うこと」(22%)を大きく上回った。「農家を辞めたい」は20%にとどまったが、95%が「子供に農業を継がせたくない」と回答、老後の生活は72%が「子供に頼る」と答えた。

調査結果は、中国の消費者は自分たちの未来に対して91%が「楽観している」と答えたものの、消費には慎重で貯蓄に励む傾向が強いことから、彼らの財布のひもを固くする要因である医療保険や年金、教育などの仕組みを整備しなければ、消費が飛躍的に伸びることはないと指摘している。(翻訳・編集/NN)

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