「iPadは新聞業界の救世主」とマードック氏=利益確保面で疑問の声も―香港紙

Record China    2010年8月17日(火) 6時19分

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15日、香港紙・文匯報は記事「メディア王マードックが語る『iPadはニュースの伝達経路を変える』」を掲載した。新聞業界の救世主としてiPadは期待を集めている。写真は今年6月、ニューヨークのアップルストアに並んだiPad。

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2010年8月15日、香港紙・文匯報は記事「メディア王マードックが語る『iPadはニュースの伝達経路を変える』」を掲載した。

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今年4月の発売以来、アップル社の新製品iPadはメディアの注目を集めている。世界的なメディア王であるルパート・マードック氏は、衰退する紙メディアにとってiPadは救世主になると断言。ニュースの伝達方式を徹底的に変え、新聞に多くの読者を集めることになると主張している。英語圏の大手メディアは続々とiPadの有料アプリケーションを発表。デジタル版販売の利益モデル構築に躍起になっている。

もっとも紙メディアが夢見る未来に疑問を投げかける声も上がっている。ある研究機関は今後3年間で100万〜360万台のiPadが英国に輸入されると予測しているが、iPadを通じて新聞メディアが得る収入は1億7500万ポンド(約235億円)にとどまると分析した。一方、2008年時点での英国大手新聞メディアの収入は12億ポンド(1610億円)、タブロイド紙の収入は19億ポンド(約2550億円)。iPadがもたらす収入はとても紙の新聞の代替にはならないことは明らかだ。

また、米紙サンフランシスコ・クロニクルによると、iPad発売後、人気を集めているニュースアプリケーションはいずれもテレビ局のもの。ニューヨーク・タイムズやUSAトゥデイなどの新聞メディアは無料期間であっても遅れをとっているという。

それでもマードック氏は、英紙タイムズの有料iPadアプリケーションは「好評を得ている」と強気な姿勢を崩していはない。もっとも有料読者数については口をつぐんだままだが。

英ダラム大学のデビッド・キャンベル教授は「ニュースメディアの中核は情報にあり、小型コンピューターの核心は伝達にある。両者は異なる領域に属しているのだ。小型コンピューターがニュースメディアを助けることはあるだろうが、救世主とはなりえない」と予想している。(翻訳・編集/KT)

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