<コラム>中国の親子に紹介したい!日本の銭湯で学べること

北村愛子    2018年1月20日(土) 19時10分

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突然ですが、我が家は銭湯が大好きです。写真は江東区にある辰巳湯。お風呂上りは、目の前にある桃太郎という中華料理屋さんにGO!子どもたちも大好きです。

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突然ですが、我が家は銭湯が大好きです。3人の子どもたちが銭湯を好きかどうかは別として、夫婦そろって大の銭湯好き。以前は、東京郊外にある立ち寄り湯(スーパー銭湯)に毎週のように通っていましたが、最近はもっぱら都内の銭湯にはまっています。

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最近の銭湯は単なる大きなお風呂という機能だけでなく、血流の流れを良くする作用のある炭酸泉、交互浴で自律神経を整える水風呂、場所によっては露天風呂のついた天然温泉なんていう銭湯も都内にいくつもあります(なのに料金は大人460円、子供180円、幼児80円!)。

銭湯といえば、昭和時代の名残、お風呂のないアパート暮らしの方が利用する公共風呂のイメージがある方も多いと思いますが、最近の銭湯は、昭和の香りを残しつつ、昨今の時代に合わせたオシャレ銭湯も数多く登場しています。

例えば、中目黒にある光明泉、練馬にある久松湯、千駄木にあるふくの湯などはデザイン性高くニューアルされ、若者が集うオシャレ銭湯として有名です。

そんな現代のニーズに合わせ銭湯がリニューアルする中、東京の銭湯は多言語対応、Wi-Fi整備などでインバウンド対応にも積極的です。場所柄でしょうが、浅草の蛇骨湯のように利用者の多くが外国人旅行客なんていう銭湯も多くなっています。

特に、欧米人を中心に古き良き昭和の香りを残す銭湯(富士山を眺めながら温湯につかる)が好まれていますが、この銭湯文化こそ中国人の親子に紹介したいと思うのです。

まず、我が家がなぜ銭湯が好きなのか。それは大きく2つの理由があります。

1つは子どもたちへの教育。銭湯の良さは、そこに集う口うるさい地元のおばちゃんたちにあると思うのです。裸で一緒のお風呂に浸かりながら、子どもたちに突然話しかけてきます。「何歳?」「どこから来たの?」という簡単な会話から時には、「お風呂に入る前に体を流しなさい」「走ったら危ないよ」「水の流しっぱなしはもったいないよ」「体をよく拭いてから上がるんだよ」という口うるさい一言まで。

通常、特に都会で生活していると街中で突然話しかけてくるおばちゃんはいません。もちろん、子どもを注意してくれるおばちゃんも。そんな突然の年上の他人との会話に慣れていない子どもたちにとっても、こういったお風呂コミュニケーションは現代社会の中でとても大切だと思うのです。

また、銭湯は他人と共有して使うものですから、銭湯には独自のルールがあります。使ったものは片付ける、うるさくしない、シャワーを他人にかけないなどなど。家のお風呂では学べない、相手を思いやる、集団生活のルールとマナーが学べると思うのです。

2つ目は親子のコミュニケーション。お風呂の中ではゆっくりと子どもたちと話し合う時間が取れます。通常の生活の中では忙しさにかまけ、小さな頃は一緒に入っていたお風呂も子どもの成長に合わせて一緒に入らなくなるご家庭も多いと思います。お風呂に入っていると心身共にリラックスし、いつもと異なる会話が生まれます。いつもよりゆっくり子どもと向き合って話を聞くことができるのです。

先日、日中こども交流会の公式メデイア(中国語)の中で、日本の親子のコミュニケーションの方法としてお風呂の時間を紹介しました。しかし、中国のほとんどの家庭でいわゆる、浴槽がありません。ですので、日本式の一緒に湯船につかり、子どもとコミュニケーションを取ろうと伝えても中国ではすぐに実現することは難しいことがわかります。

だからこそ、日本に来たら気軽に日本のお風呂文化を体験できる銭湯が中国人の親子の良いコミュニケーションの場になり得ますし、日本の文化、子どもがマナーを学ぶ良い機会だと思います。

ここで注意すべきなのは、事前に銭湯の入り方を中国人の親自身が学び、銭湯ルールを守って気持ち良く入浴すること。特に観光客に多いのが、お風呂の富士山を背景に写真を撮りたいと言う人ですが、そこは当然我慢していただきます。

そして、日本人もそういう外国人親子に会ったときは、嫌な顔で見るのではなく、優しくルールを説明してあげてほしいと思います。言葉が通じなければ、身振り手振りで教えたり、外国人向けのポスター(たいていの銭湯で貼られている)を見せたり。前述のように、そういったコミュニケーションが取れるのが銭湯の良いところなのですから。

外国人には気軽に温泉を楽しめる施設としてお台場の大江戸温泉が人気ですが、多くの外国人で賑わう大江戸温泉より、実は家の近所にある銭湯の方がより日本らしいお風呂体験ができるのではないかと思う今日この頃です。

■筆者プロフィール:北村愛子

1976年静岡県西伊豆生まれ。大学時代に1年間交換留学で上海、その後仕事で3年半、上海に滞在。日本帰国後、中国人社長の秘書兼広報として約10年勤務。2016年4月に友人の中国人向けお買い物アプリの立ち上げに参画し、現在に至る。

■筆者プロフィール:北村愛子

1976年静岡県西伊豆生まれ。大学時代に1年間交換留学で上海、その後仕事で3年半、上海に滞在。日本帰国後、中国人社長の秘書兼広報として約10年勤務。2016年4月に友人の中国人向けお買い物アプリの立ち上げに参画し、現在に至る。

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