西部大開発に8.8兆円を追加投入!東部人口の拡散と経済不均衡解決が狙い―中国

Record China    2010年7月11日(日) 12時9分

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7日、米国営ラジオ局ボイス・オブ・アメリカの中国語版ウェブサイトは、中国政府が過去10年間に2兆2000億元を投入し実施してきた「西部大開発」に関し、政府は今年新たに6822億元を再投入することを決定したと伝えた。写真は重慶市。

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2010年7月7日、米国営ラジオ局ボイス・オブ・アメリカの中国語版ウェブサイトは、中国政府が過去10年間推進してきた政策「西部大開発」に関し、今年新たに6822億元(約8兆8700億円)を再投入することを決定したと伝えた。背景には、西部への産業移転促進による東部の人口集中緩和や、経済発展の地域格差解消を図る狙いがあるとみられる。中国政府は2000年から2009年までの10年間、西部大開発プロジェクトに2兆2000億元(約28兆6000億円)を投入してきた。

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国家発展改革委員会はこのほど、2010年に「西部大開発」で新たに着工する重点プロジェクト23件を公布した。それによると、総投資額は6822億元で、鉄道・道路・空港・発電所などの建設、炭鉱開発、水利事業開発などが計画されている。

これに関連し、温家宝(ウェン・ジアバオ)首相は「西部地区の企業所得税を現行の25%から15%に引き下げ、石炭・原油・天然ガス等については市場価格に応じて徴税する」と語り、西部地区への優遇政策実施を明らかにした。

温首相は以前、「国内外の経済情勢は依然として極めて複雑である」と発言しているが、その意味するところは、中国が輸出依存型の経済成長モデルを脱却すべき点や、中国各地で起きている労働者の賃上げストなどを指しているとみられている。専門家は「西部大開発は中国経済が直面しているこれらの“極めて複雑”な状況の重要な突破口になる」と解説する。

英ノッティンガム大学現代中国学学院の姚樹潔(ヤオ・シュウジエ)院長は「西部大開発は、東部地区への人口集中を和らげ、かつ産業移転も実現でき、地域格差の是正や沿岸部の不動産バブル抑制、労働者賃金の上昇など、各社会問題を緩和する効果がある」とし、「昨年7月5日に新疆ウイグル自治区で発生した暴動の背景には、東西部の経済発展格差や収入分配の不均衡があり、報道で言われるような宗教や民族問題だけが原因ではない」と語り、こうした問題の解決にもつながると指摘した。

西部大開発プロジェクトが対象としているのは、重慶市・四川省・貴州省・雲南省・チベット自治区・陝西省・甘粛省・青海省・寧夏回族自治区・新疆ウイグル自治区・内モンゴル自治区・広西チワン族自治区。(翻訳・編集/HA)

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