多発する犯罪や混乱、原因は「信仰の喪失」―中国

Record China    2010年5月26日(水) 12時40分

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24日、急速な経済成長を遂げる中国で凶悪犯罪や社会の混乱が激化、「中国人の心が歪んでいる」と報じられた。写真は10年3月、福建省南平市の小学校で発生した無差別殺傷事件の現場。多数の献花が寄せられている。

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2010年5月24日、国際先駆報によると、急速な経済成長を遂げる中国で、凶悪犯罪や社会の混乱が激化している。家族や児童を惨殺する事件や、心疾患罹患者による無差別殺人事件、汚染粉ミルクやリサイクル食用油など食の安全崩壊、財産を巡って骨肉の争いを続ける血族たち、若い女性にはびこる強固な玉の輿願望、社会的弱者に募る鬱積、先の見えない将来への不安…「中国人の心が歪んでいる」と記事は伝えている。

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3月23日、福建省のある小学校で登校中の児童が父兄の目の前で次々に刺殺されるという事件が起きた。犯人は42歳の元医師。取り調べによれば、犯人は前年に勤務先の病院を退職したばかりで、持ち家も生活費もなく、さらに失恋の喪失感が重なり、「強い挫折感などから殺人に至った」という。犯人は死刑となったが、その後、同種の事件が連続した。わずか2か月足らずの間に、同じく学校を舞台とした無差別殺傷事件が6件も発生し、22人が犠牲となった。

このほかにも、頻発する食の安全問題や偽造商品の氾濫、行政機関による情報改ざんや虚偽報告など、深刻な社会現象は枚挙にいとまがない。漂白剤に浸して白さを増したモヤシ、「白猫」ブランドを模倣した「日猫」ブランドの洗剤、全国のGDP数値を何故か上回ってしまう各地方自治体のGDP総計など、70年前の魯迅の言葉を借りれば「中国人ほど奇想天外な発想をする民族はいない」。

こうした現象はいずれも、社会的な混乱が背景となっている。中国社会科学院農村発展研究所社会問題研究センターの于建●(ユー・ジエンロン、●は木偏に栄)主任は、「現在の中国社会にもっとも欠けているのは“信仰”だ」と指摘。

「過去30年に渡って追い求めてきた経済発展や物質的充足によって、人生の指標も信仰も失われてしまったことが、現在多発している事件や混乱の原因だ」とし、下級階層を中心に精神的な絶望が生まれ、最終的に社会への復讐というかたちで表われているのだという。於主任は「これまでの中国は精神文明を軽んじてきた」と話し、政府教育部から各家庭に至るまで、“精神性”の問題に直面しているのが現在の状況だと指摘している。(翻訳・編集/岡田)

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