収入格差が拡大、「富める者はさらに富み、貧する者は永遠に貧しい」―中国

配信日時:2010年5月25日(火) 23時2分
収入格差が拡大、「富める者はさらに富み、貧する者は永遠に貧しい」―中国
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24日、人民日報は、中国では収入格差が広がる一方で、その主な原因は「地域」「戸籍」「出身」「企業の性質」などにあると指摘した。写真は湖北省武漢市で廃品回収をする人。
2010年5月24日、人民日報(電子版)は、中国では収入格差が広がる一方で、その主な原因は「地域」「戸籍」「出身」「企業の性質」などにあると指摘した。

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国営金融持株グループで部門責任者を務める趙剛(ジャオ・ガン)さんの年収は80万元(約1040万円)以上で、これに住宅手当、車両手当などの各種手当および臨時の福利を加えると、実際の年収は100万元(約1300万円)以上になる。

趙さんの高校時代の友人・張さんは、地方都市にある民間の加工企業に勤務している。企業業績は好調で、年収は4万元(約52万円)以上あり、現地では高所得者に属する。しかし、収入の3分の1は住宅ローンの返済に、3分の1は子供の教育費と両親の医療費に消えてしまい、生活は苦しい。

趙さんの小学校の同級生・王さんは、暖かい時期は畑仕事や魚の養殖、冬になると出稼ぎに出るなど、1年中働き詰めで年収は約2万元(約26万円)。趙さんの1週間分の収入にも満たない。

こうした収入格差拡大の原因について、北京師範大学収入分配・貧困研究センターの李実(リー・シー)主任は次の4点を指摘する。

1)地域による格差
都市部と農村地区の住民の収入格差は、1997年に2.6:1だったものが、今年は3.33:1に拡大している。

2)独占企業と一般企業との格差
電力、電信、金融、保険、たばこなど、独占企業の従業員の平均収入はその他の業界の2〜3倍に達している。加えて住宅手当などその他の収入や福利待遇を加味すると、実質的な差は5〜10倍になる。

3)権利独占による正規収入以外の“灰色収入”の存在
資本、土地、天然資源などに関する権限は、政府各部門が握っているため、市場原理が働きにくく、また制度に未整備なものが多く、価格などに対してバイアスがかかりやすい。こうした隙をついて関連部門がグレーな収入を得ている。

4)所得や福利が少人数に集中している
中央政府各管理委員会が管理する国有企業の08年の1人当たりの福利費支出額は3387元(約4万4031円)だったが、うち最高は4万4600元(約57万9800円)、最低は149元(約2000円)と300倍近い差が生じていた。

これ以外に、都市の戸籍を得るための代行手続き料や、国有企業に入社するための「口利き料」などとして、数万〜数十万元(数十万〜数百万円)の賄賂が必要となったり、政府幹部や国有企業幹部が子供を優先的に入社させるなどのニュースは各地で後を絶たない。

李主任は「富める者はさらに富み、貧する者は永遠に貧しい」と現状を評している。(翻訳・編集/HA)
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