弱者に優しい国づくりを進める日本、本当の豊かさはGDPでは測れない―中国紙

Record China    2010年5月9日(日) 11時17分

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4月27日、杏林大学の劉迪准教授は中国紙での署名記事「日本はグローバル化の失敗者なのか?」で、その国の本当の豊かさはGDPの数値ではなく、社会全体の弱者に対する思いやりで測るべきだと論じている。写真は上海万博のベストシティー実践区。

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2010年4月27日、中国紙・環球時報は杏林大学の劉迪(リウ・ディ)准教授の署名記事「日本はグローバル化の失敗者なのか?」を掲載した。以下はその内容。

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その国の発展レベルを測る際、習慣的に生産力やその成長速度を基準にすることが多い。この基準を日本に当てはめれば、恐らく失敗者とみなされるだろう。日本はこの20年、国内総生産(GDP)がほとんど伸びていないからだ。だが、日本は本当に失敗者なのか?筆者が見る限り、日本は経済面では停滞しているが、社会の成熟度は増している。

筆者は先日、日本の身体障害者の姉弟と知り合った。2人の話から、日本がいかに弱者に優しい社会であるかが分かった。2人は車椅子を利用しているが、自分たちだけで電車やバスを乗り継いで我が家まで来ることができていた。駅は車椅子でも利用できるよう配慮されており、障害者用のトイレもある。全く問題ないようだ。

GDPは停滞しても、国や地方自治体はバリアフリー社会の実現に重点を置いた予算配分を忘れていない。社会的弱者が住みやすい街づくりを推進し続けているのだ。こうした角度から見れば、日本は30年余りの高度成長期を経て、より安全で安心、安定した社会の形成に重点を置くようになったといえるだろう。

多くの経済学者は中国をグローバル化の勝利者だと言う。日本からも専門家が多数視察に訪れ、政府の鶴の一声であっと言う間に再開発を成し遂げてしまうことに驚き、「羨ましい」と称える。だが、中国人は本当にそれを自慢して良いのか?先祖代々からの土地を奪われた農民たちは、立派にそびえ立つ高層ビルをどんな気持ちで眺めているだろう。それらは本当に、そこに建てる必要があったのだろうか。

その国の繁栄はGDPの数値だけでは測れない。中国は近年、経済成長を何よりも優先させた結果、大切なものを見失ったのではないか。中国は今、これまでのどの時代より豊かになった。だが、社会全体が弱者に対する物質的、精神的な思いやりを失くしてしまっている。これは経済レベルではなく、社会の成熟度の問題だといえるだろう。(翻訳・編集/NN)

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