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2010年4月、中国から帰国したばかりのある金融関係者が好奇心から日本の証券会社主催のセミナーに参加してみた。そこには奇妙な中国株ブームが醸し出されていた。写真は中国の証券会社で株価ボードを見る投資家たち。
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2010年4月、中国から帰国したばかりのある金融関係者が好奇心から日本の証券会社主催のセミナーに参加してみた。そこには奇妙な中国株ブームが醸し出されていた。以下はその関係者のサイトへの書き込み。
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折角東京に戻ったのだから、東京で出来ることをしよう、と言う訳で、2日続けて証券会社主催のセミナーに参加してみました。これは個人投資家向け、一般向けのものでしたが、会場には白髪の紳士が目立ち、お元気な団塊の世代を垣間見ました。
一つは『中国株セミナー』。基本的にはある程度の根拠を示しながら、『中国株はまだ買いです』と言う内容でした。しかし冒頭に『12月に開催したセミナーでは今年の株価予測を誤りました』とお詫びがあったのには驚きました。これは極めて日本的な所作であり、他国では問題になりますね、きっと。
更に、中国株が今年上がらなかった理由は『年初に予想外の預金準備率引き上げがあったから』との説明には正直首を傾げますね。これが無ければ今頃は20%以上指数が上昇しているはずだと言う口ぶりですが、北京ではそれは皆織り込み済みの話で、今年は通年でも10〜15%程度しか上昇しないだろう、と言う見方が多かったのです。
また翌日の『投資フォーラム』では、アメリカの大学を卒業し、米系証券勤務経験もあるという売れっ子コンサルタントさんが『皆さん、もう中国の話は止めてくれ、とお思いでしょう』と言いながら、『深センと広州の位置関係』が分かっていなかったり(編集部注:深センと広州はいずれも広東省内の都市)、『上海の不動産は深センの10倍だったが、最近深センの価格が急上昇した』など、明らかに分かっていない説明をしているのを聞くと、がっかりしますね。欧米志向の人にとって、アジアはあくまで片手間。いくら『新興国投資に自信がある』と力説しても説得力がありません。
私も北京に居た時、『中国人が日本で大量に不動産を買い始めた』との話を真に受け、そういう時代が来た、とお話したことがありました。しかし実際には、中国から日本に観光やビジネスで来た中国人が買っているのではなく、在日中国人が少しずつ買っているということが分かってきて、恥ずかしい思いをしたものです。やはり実際に体験していない話を、見てきた様に話すのは…??
勿論キチンと説明している素晴らしいエコノミストも居ましたが、やはり『日本のコメンテーターの中国論、アジア論は人の受け売りであり、体験に基づいていない』ため、一般の日本人に誤解を与える可能性は大と言うことです。ニュートラルな立場で冷静なコメントを発せられる人を切に希望します。(編集/三木)
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