<レコチャ広場>理工系博士はなぜ米国から戻りたがらないのか?―中国

Record China    2010年4月22日(木) 17時49分

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19日、中国人ジャーナリストの喬磊氏は「理工系博士の6割はなぜ米国から祖国に戻らないのか?」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。写真はマサチューセッツ工科大学。

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2010年4月19日、中国人ジャーナリストの喬磊(チャオ・レイ)氏は「理工系博士の6割はなぜ米国から祖国に戻らないのか?」と題した記事を中国のブログサイト・新浪博客に発表した。

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科学または工学分野の博士課程で学ぶ米国の中国人留学生には、2つの特徴がある。1つ目は人数が多いこと。科学・工学の博士課程で学ぶ外国人留学生7850人のうち、中国人は最多の27%(2139人)を占める。そして、2つ目は卒業後に帰国する人の数が少ないことだ。02年に米国で科学または工学系の博士号を取得した中国人のうち、5年後の07年時点で帰国した人はわずか8%に過ぎない。

それでもここ2〜3年は米国の不景気と就職難に加え、中国の目覚ましい経済発展や留学帰国組の人材に対する手厚い待遇の甲斐あって、帰国する割合は徐々に増えているという。だが、正確なデータではないが、米国の学者の調査によると、中国人留学生の多くは帰国の意思を示しているものの、依然として60%以上が米国に残留している。

米国オークリッジ科学教育研究所と全米科学財団 (NSF)が、02年に国内の大学で科学・工学の博士号を取得した留学生について、その5年後にあたる07年にどれほど残留しているかを調べた結果、中国人は92%にも達した。中国は2000年ごろから科学や工学分野の優秀な人材に対する需要が高まっており、政府各部門が積極的な優遇策を講じてきたにも関わらずのこの結果。一方、韓国人が卒業後5年以内に帰国する割合は59%、台湾は57%、日本は67%に上った。

では、中国人の87〜02年の統計ではどうか。87年に卒業した者は、5年後の92年には65%、90年の卒業者は95年には88%、92年の卒業者は97年には92%が米国内に残留していた。その後も、2000年の卒業者にいたるまで90%以上を維持している。これは、中国にとって大きな損失だ。米国が科学技術大国でいられるのは、世界各国の優秀な人材が集まるからだろう。中国もこれに負けてはならない。米国が十分な環境や待遇の良さで優秀な人材を奪い取っていくのなら、中国は民族の求心力で彼らの帰国を迎えようではないか。(翻訳・編集/NN)

●喬磊(チャオ・レイ)

57年生まれ、米国在住のジャーナリスト。米華字紙「僑報」副編集長。遼寧大学、カリフォルニア州立大学出身。渡米前は中国国営・新華社通信や共産党機関紙・光明日報で勤務。これまでに胡錦濤中国国家主席や江沢民前中国国家主席、朱鎔基前首相、オバマ米大統領、ブッシュ前米大統領、クリントン元米大統領などへの取材経験がある。著書に「記者之路」「不屈的脊梁―[シ文]川地震抗震救災中的故事」がある。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。

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