新世代の出稼ぎ労働者に変化!「都会生活も楽しみたい」―中国・大学調査

Record China    2010年4月9日(金) 18時39分

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6日、「麻袋を担いで都会にやってくる」というかつての出稼ぎ労働者像に大きな変化が起きているという。写真は新世代の出稼ぎ労働者たち。

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2010年4月6日、中国広播網によると、「麻袋を担いで都会にやってくる」というかつての出稼ぎ労働者像に大きな変化が起きている。今どきの出稼ぎ労働者は、「皮製のスーツケースを転がして」都市へ出向くという。中国人民大学都市計画・管理学科はこうした「新世代」の出稼ぎ労働者について全国調査を実施した。

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今年の正月期間、中国人民大学の116人の在校生が帰省先の23省・自治区・市で1595人に調査を行った。対象者は1989〜96年生まれ、平均年齢23歳の出稼ぎ労働者だ。

調査によると、新世代出稼ぎ工の過去3か月の平均月収は1728元(約2万4000円)、年収にして2万736元(約28万5000円)だった。うち、仕送り額の平均は5779元(約7万9000円)で、全収入のわずか27.9%を占めるにとどまった。中国人民大学公共管理学院の唐傑(タン・ジエ)博士は、「若い出稼ぎ工には価値観や消費観念で大きな変化が起きており、実家を支えるという義務感以外に、都市生活を享受しようとの気持ちが強く芽生えている」と分析した。

彼らの平均出稼ぎ期間は3年7か月、平均2都市で就労し、2業種を経験。職業選択の3大条件は報酬額、自己適性とのマッチング、就業環境という。出稼ぎの目的上位3位は生活水準の向上、故郷での起業資金作り、社会勉強。60.1%が「今後、農業には戻らない」とし、子を持つ者の75.8%が故郷に子どもを置いてきている。

こうした就労状況には、「後顧の憂い」がないことが背景にある。彼らの多くは実家が耕地を有しており、最大で約67万平米、1人あたり平均約3100平米を所有。また、各世帯の09年の平均年収は3万4050元(約46万9000円)で、最高年収は50万元。このように新世代は将来の保障をある程度確保しているため、安い給料で働くことを拒否している。例えば河南省出身で中学卒、23歳のある出稼ぎ労働者は今年、結婚を機に転職を考慮している。将来のことを考え、「建設現場労働者では、たとえ給料がよくても安全面に不安が残る」というのがその理由だ。現在は、運転免許を取得して運転手になることを目指す。「お金持ちを乗せればコネができる」という考えも持ってのことだという。

農業離れや都市生活への渇望を強める彼らだが、「都会人になれるか?」という問いに「可能」と答えたのは半数のみ。都会人になるには「安定した仕事」「都市部の持ち家」「都市戸籍(編集部注:中国では農村部と都市部間で戸籍移動の自由がなく、農村出身労働者が都市で失業保険や医療、教育を満足に受けられない)」が必要と答えた。また、都市部定住への希望については意見が分かれる。「状況を見て判断する」との答えが38.2%に上り、残りは「定住したい・都市戸籍がほしい」「貯蓄ができたら、あるいはすぐにでも帰郷したい」がほぼ半々。さらに48.9%は「都市住民との結婚は考えられない」と答えた。唐博士は「若い世代の出稼ぎ問題は重視すべきだ。戸籍制度改革を行い、社会的に不平等な現状を打開していく必要がある」と語った。(翻訳・編集/小坂)

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