「シノサット2号」技術ミスにより通信不能、未来の損害は1兆円以上に

配信日時:2006年11月29日(水) 2時30分
「シノサット2号」技術ミスにより通信不能、未来の損害は1兆円以上に
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電波妨害に強く、信頼性の高い放送・通信衛星としては中国初として期待された「シノサット2号」が、太陽能電池板とアンテナの展開がうまくいかず、ほぼ失敗とみられている。
2006年11月28日、シノサテライト社が記者会見を行い、今年10月29日の深夜0時20分、四川(しせん)省の西昌(シーチャン)衛星発射センターで打ち上げられた中国の新世代通信衛星「シノサット2号」が、技術的なミスのため中継サービスが提供できなくなったと発表した。

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これはシノサット2号の外部に取り付けられた太陽能電池板が、宇宙空間で翼のように広がる予定であったものが展開できず、また同様にアンテナが設計通りに延びなかったことが原因だ。ほかには故障は見られないが、通信衛星として最も重要な部分に支障が出たため、シノサット2号は用をなさない浮遊物体と化してしまった。

シノサット2号を開発した中国航天科技公司に所属する中国空間技術研究院は、現地点の情況を見て「この故障は一時的なものだ」と説明、現在故障についての研究が行われている。

一方シノサテライト社によると、彼らはすでに中国人民財産保険株式会社に、この通信衛星にかけた保険金を請求したという。これによると、特別の奇跡でもない限り「シノサット2号」の命運は尽きたと考えられる。

保険金額については企業秘密のため公表されていないが、専門家の話によると「シノサット2号」の制作費は恐らく20億元(約260億円)以上だという。

中国でケーブルテレビを利用している家庭は全体の28%ほどと少なく、しかもそのような家庭は都市部に集中している。農村部や山村に住む人々がこれを見ることは難しい。しかし衛星放送の電波なら、どのような場所でも受信できるため、多数の利用者が確保できる。シノサット2号は10年の開発期間を経て、中国大陸、香港、マカオそして台湾の1億以上の家庭に、衛星放送のサービスを直接提供する予定だった。しかし今回完全に失敗したことによって、未来の5年間にわたって約1000億元(約1兆3000万円)の損失を被ることになった。

シノサテライト者の担当者は、記者会見の最後にこうコメントした。「リスクが高いのは衛星通信業界の特徴のひとつである。外国も今回の件と類似した情況は、数多くある。これからも中国の国有衛星キャリアとして、良いサービスを提供することに変わりはない。自信は失っていない」。

中国のある大手サイトで行われたアンケート結果によると、今回の失敗が今後中国の衛星事業の発展に悪い影響を及ぼすと思った人は、回答を寄せた1万3985人中、49.13%の6871人であった。つまり半分ほどの人々が、今回の件が未来において障害となると考えていることになる。
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