トン族(侗族)

Record China    2006年5月8日(月) 0時5分

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トン族(侗族)

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◆人口/ 

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人口は296万293人。

◆地域/ 

貴州省、湖南省と広西チワン族自治区に隣接する地域に分布し、その中の貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州が主な居住域である。 

◆言語/ 

トン族の言葉を使用し、漢・チベット語系、チワン・トン語派、トン・スイ族の言語に属する。南北2つの方言がある。トン族はもともと自民族の文字を持たず、漢字を使っていたが、1958年にトン族の南部方言を基礎に、貴州省榕江の言葉を標準音とし、ローマ字を採用してトン族の文字を創出した。 

◆宗教/ 

トン族は多くの神、自然物を崇拝する原始宗教を信奉している。

◆歴史/

トン族は中国の古代百越の一派から生まれた。秦・漢の時代に「駱越」と呼ばれ、魏・晋以降は「僚」と称し、トン族は「僚」の一部分であった。古代の文献では、歴史上トン族を「洞人」「畆人」「洞蛮」などと呼び、自分たちは「甘」と称していた。宋の時代に「懍伶」と音訳し、明の時代以降は「畆僚」「畆蛮」「畆苗」と称し、あるいは「苗」と誤って称された。1949年以降、トン族と呼ばれるようになった。

◆文化・生活/

トン族の人々はうるち米の栽培を主にする農業、稲田で魚を養うことに長じている。秋になると、稲の収穫と共に、大きくなった魚を稲田で獲る。獲れたばかりの魚を塩焼きにし、地酒を飲みながら嗜むのは、トン族の人たちにとって秋の楽しみの一つである。トン族はまた林業に従事し、スギ、油茶の栽培でよく知られている。油茶でお客をもてなすのは、お客様を大切にするトン族の人びとの習わしである。トン族の女性は綿の栽培に長じ、自ら布を織り、染めている。トン族の人たちは誰もが歌を歌うことができ、人々はトン族の住む地域を「詩歌の大海原」と称している。礼儀正しく、老人を敬い、幼児を大事にし、人を助けることが好きで、橋を修繕し、道を補修し、公益事業を重視することは、トン族の人々の伝統的な習俗と美徳である。

◆建築/

貴州省東南部を中心に、広西壮族自治区、湖南省にまたがって住むトン族は、木造建築に優れ、特にトン族の建築技術の精髄を最も反映しているのが、「風雨橋」「鼓楼」である。風雨橋は屋根つきの長い回廊があり雨を防ぐことができるためこの名前がついた。橋の上には5基の多角形の楼亭があり、通路の両側に欄干がある。橋には釘が一本も使われておらず、木組みのみで造られているが、その構造は精巧なうえに堅固である。鼓楼はトン族のシンボル。一番上に木製の太鼓を吊し、屋根が幾重にもなった塔状の建築物である。下部は正方形、瓦のひさしは多角形、閣の軒先は反り返っている。村の中に高く聳え存在感を示す。どちらも釘を一切使わない杉材を用いた複雑な木組みで作られ、建築物には様々な装飾が施されている。

◆祭り/

トン族の伝統祝日には、(イ同)年、三月三(花炮節)、闘牛節、〈足采〉歌堂、吃新節などがある。吃新節というのは早稲の収穫の後、家々で新米を食べ、祖先に奉納する祭りである。その時には歌や演劇、闘牛などのイベントが行なわれる。トン族で最も有名な大衆音楽は“古楼大歌”で、伴奏のない合唱曲である。

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