<続報>トラ11頭が餓死=経営危機アピールの意図的な行為との疑いも―遼寧省瀋陽市

Record China    2010年3月16日(火) 7時4分

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2010年3月16日、京華時報は、栄養失調により東北トラ11頭が死亡した瀋陽森林野生動物園の問題を報じた。一部では経営者が意図的に餓死させることで、政府に買い取りを迫ったとの見方も広がっている。写真は14日に開催された森林野生動物園問題の記者会見。

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2010年3月16日、京華時報は、栄養失調により東北トラ11頭が死亡した瀋陽森林野生動物園の問題を報じた。経営危機からトラに十分なエサを与えていなかったばかりか、18か月にわたり従業員に給与を支払っていなかったことも明らかとなった。

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3月11日、遼寧省の瀋陽市野生動物保護管理所は、昨年末から今年2月にかけ瀋陽森林野生動物園の東北トラ11頭が相次いで死亡したと報じた。調査の結果、栄養失調が原因で腸炎、腎臓疾患に罹患したためと判明している。トラは毎日10キロもの牛肉を必要とするが、同園では鶏肉や鶏ガラ数羽分しか与えられていなかった。

また10日は同園の従業員数十人が給与支払いを求めてストライキを始めたことも判明した。ある従業員は「トラが11頭も餓死しましたが、従業員の給与も18か月支払われていません。わたしたちももうすぐ餓死しそうです」と話した。

エサの不足も供与未払いも経営不振が理由と伝えられている。瀋陽森林野生動物園は2000年に瀋陽動物園が改組されて誕生した。大連市民間企業経営者・楊振華(ヤン・ジェンホア)氏が代表となったが、その後、経営不振が続いていたという。2000年の改組当時には61種1020頭いた動物も今年2月8日時点で49種518頭にまで減少した。さらに昨年11月、従業員が東北トラ2頭に襲われる事件の後、一般公開も停止された。

動物が餓死しないように地元都市行政を管轄する棋盤山管理委員会はえさ代1万8000元(約23万9000円)を供出した。資金供出はこれが初めてではなく、2007年、2008年にもオフシーズンのえさ代として150万元(約1990万円)を供出していたという。また瀋陽市政府も2008年に150万元を提供している。このほかにも従業員の給与分として、棋盤山管理委員会は今年の旧正月前に40万元(約530万円)を提供していた。

一方、従業員サイドは経営不振が原因との説を否定している。同園の収入は年1200万〜2000万元(約1億5900万〜2億6500万円)。動物のえさ代は年1000万元(約1億3300万円)前後であり、収入が動物園の維持に全て使われるならばこんなことにはならなかったと話し、経営者が利益を債務の返済に充てていることが原因だと話した。経営者の楊氏は数年前、同園の売却を計画したが、3億元(約39億8000万円)という高値がネックとなり、実現しなかった。トラの餓死は経営危機をアピールして政府に動物園を買い取らせようとする同氏の作戦なのではとのうわさも広がっている。

同園にはなお30頭ものトラが残っているが、15日午前、専門家による健康診断が行われた。うち3頭が危険な状態にあるとして治療を受けている。また14日には従業員に対して6か月分の給与を支払うことが約束され、ストライキも終息した。(翻訳・編集/KT)

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