<中国で働く>まもなくTBS放映のドラマ「記憶の海」、原作者の上海在住日本人をインタビュー(4/4)

Record China    2010年3月12日(金) 21時25分

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日本のテレビ番組の現地制作から、現地で日本の生の情報を提供する番組の企画・ディレクターまでを務め、精力的に活動してきた松田奈月さん。渡中して10年の昨年、TBSと講談社主催の「ドラマ原作大賞」を受賞し、そのドラマが今月、テレビ放映されることになった。

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■映像ディレクター+ギャラリーショップ運営:松田 奈月 さん

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09年、TBSと講談社が開催した「第2回ドラマ原作大賞」の受賞作である「記憶の海」が、今月22日から4夜連続でテレビドラマとして放映されることが決定した。全916本の応募作品の頂点に立った同作は今月、書籍としても出版された。その原作者は中国在住歴10年の女性で、中国ではおそらく知らない人がいないほど有名な日本語のテレビ番組の企画者であり、ディレクターでもある松田奈月さんだ。

■番組で吐き出せない思いを小説に…「自己流」が日本で認められた10年目

その後、職場に復帰した松田さんが手がけている番組は「亜州美魅」。

「毎回1人、アジアの女性の素顔に迫る番組で、目指せ「情熱大陸+ザ・プロフェッショナル」(笑)。日中で活躍する歌手のalanさん、モーニング娘。や加藤夏希さんなどの仕事の現場を取材しました。個人的には最近、「キャンディ・キャンディ」などのアニメ主題歌を数多く歌っている堀江美都子さんにお会いしたことも印象に残っています」。

「亜洲美魅」公式HP:

http://www.asianbeauty.sh.cn/(中国語/サイトで番組視聴も可能)

そして、普段の番組作りの中では消化できなかった思いが、昨年に「TBS・講談社 第2回ドラマ原作大賞」を受賞した小説を書くことにつながった。

「自分が普段考えていることや、何をどう思うかということは、いま制作しているドキュメンタリー的な番組では消化しきれない。というか、その出口は番組にしてはいけないと思ったんです。自分にとって文章でしか表現できない思いを少しずつためていったものが、今回は賞に拾ってもらったという感じです。わりと忙しい時期に書いていたんですよね。書くために時間を作るというわけではありませんでした。内容は、中国とは全然関係がないです。近すぎるものは、かえって小説では書きにくくて」。

日本で賞をとったことは、これまでずっと中国規準のもと、自己流でやってきた自分にとって励みになり、一緒にやってきたスタッフにとってもよかったという。そしてこの1年間は、日本のテレビ・出版それぞれの現場の人と作品化を進める中で初めて学ぶことが多く、これまでにない新しい経験を積むことができた貴重な時間だったと振り返る。

そんな松田さんにとって、上海はどんな場所なのだろう?

「現在の上海の市場が全体的に経験よりも新しさをより求めているので、日本でやりたいことがあってもその機会がない人や、できないことややりたいことがあるのにチャンスが回ってこない人には、チャンスが巡ってくる可能性のある場所だと思います。逆に日本でやりたいことができている人は、中国だと面倒なことが多いから、わざわざ来なくてもいいかもしれません。ほかの人を見ていてもそうなのですが、やりたいことがある人は、経験や年齢に限らずチャンスが回ってきていると思います。私はとりあえずやりたいことをやってから考えるタイプ。好きなことだと苦にならないですしね。中国だと、『やりたい』と言うと聞いてくれる人がいる。日本だったら丸々1本番組を任せてくれるって、なかなかないですから」。

中国に暮らして昨年で10年の節目を迎えた。先日は取材で、10年ぶりに上海から大阪をつなぐ船「蘇州号」に乗り、いろいろ振り返って考えてみたという。

「前にできなかったことができるようになっていると思うと、年をとることも悪くないと思いますね。私は帰国しようかな?と悩むたびに、次にやるべき仕事が来るんです。本当にそういう意味では恵まれていると思います」。

それを引き寄せているのは、自分の力だとは思わないのだろうか?自分のやりたいことと、まわりの環境をつなげていく力。目の前でニコニコほほ笑む松田さんは、少しも気づいていないようだった。 (取材・文/浅香来)

■記事提供・カモメ中国転職+アジア

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