中国国家イメージグローバル調査報告2016-2017

人民網日本語版    2018年1月9日(火) 6時40分

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「第5回中国国家イメージグローバル調査(2016-2017)」が2017年3月から6月まで、中国外文局対外伝播研究センターとカンター・ミルウォード・ブラウン社、ライトスピード社の合同で行われた。今回の調査は世界22カ国で展開され、アジア(中国、日本、韓国、インド、インドネシア、サウジアラビア)、欧州(英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、トルコ、スペイン、オランダ)、北米(米国、カナダ、メキシコ)、南米(ブラジル、アルゼンチン、チリ)、オセアニア(オーストラリア)、アフリカ(南アフリカ共和国)の各地域の人々が対象となった。訪問サンプルは合計1万1000件で、1カ国当たり500件のサンプルが収集された。各国のサンプル抽出の代表性を確保するため、調査対象者のサンプルは18歳から65歳まで、男女比率は半々とされた。

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今回の調査でわかった主な点としては、▽中国の全体イメージの好感度が安定の中で上昇し、内政・外交のパフォーマンスが評価され、「一帯一路」イニシアティブが幅広い賛同を受けている、▽中国経済の国際的な影響力が広く認められ、未来の発展が海外の信頼を獲得し、調査対象者は中国がまもなく世界最大のエコノミーとなると予想している、▽中華料理や漢方医薬、中国の高速鉄道などの中国の文化と科学技術の要素が引き続き国家イメージの注目点となっている――ことなどが挙げられる。

国家の全体イメージと影響力

中国全体の好感度は安定の中で上昇

中国の国家全体の印象は6.22ポイントで、小幅な上昇という近年の傾向がそのまま続いた。

年齢別に見ると、海外の若年層(18-35歳)と中年層(36-50歳)、高年層(51-65歳)の中国に対するイメージはそれぞれ為6.6ポイント、6.1ポイント、5.6ポイントで、中国に対しては若年層がより良い印象を持っていることがわかった。

近年、中国の国家イメージの好感度は安定の中で上昇している。中国に対するイメージのポイントの伸び幅が2015年と比べて最も大きかった3カ国はいずれも先進国で、イタリア(0.5ポイント増)、カナダ(0.4ポイント増)、英国(0.4ポイント増)だった。だがこれと同時に、発展途上国の中国に対する印象は総体的に先進国よりも良いこともわかっている。

中国の内政・外交パフォーマンスに高い評価

グローバル・ガバナンスへの中国の貢献と国内ガバナンスのパフォーマンスへの評価はそれぞれ6.5ポイントと6.2ポイントを獲得し、中国の国際貢献がより多くの人に評価されていることがわかった。

2015年と同様、中国の内政と外交のパフォーマンスに対する評価は、発展途上国と海外の若年層の評価が平均水準よりも高かった。注目すべきことに、中国の国内ガバナンスのパフォーマンスの評価の伸び幅は、先進国が発展途上国を上回っている。

国際問題への中国の影響力は世界2位の評価

国際問題における影響力は米国がトップで、中国が第2位、その後にロシアとドイツ、英国が続いた。

影響力トップ3のランキングは2014年と2015年の調査結果と一致しており、調査対象者の目には、国際問題への各国の参加パフォーマンスに顕著な変化はないと映っていることがわかった。

中国のグローバル・ガバナンス参加に対しては科学技術と経済の分野でより高い評価

中国のグローバル・ガバナンスへの参加パフォーマンスは、「科学技術」(65%)や「経済」(64%)、「文化」(57%)など多くの分野で国際社会の幅広く評価されている。グローバル・ガバナンスの各分野での中国を評価する人の割合は発展途上国の方がどの分野でも先進国より高かった。グローバル・ガバナンスの各分野での中国を評価する人の割合はいずれも海外では若年層の方が中高年層よりも高い。

中国の国家と国民のイメージ

「悠久の歴史とあふれる魅力を持つ東方の大国」「世界の発展の貢献者」が中国の最も際立った国家イメージ

「悠久の歴史とあふれる魅力を持つ東方の大国」という中国のイメージは海外の調査対象者、とりわけ先進国で広く受け入れられ、この項を選んだ海外調査対象者の割合は平均57%に達した。「世界の発展の貢献者」という中国のイメージも広く受け入れられており、この項を選んだ割合は4割近く、発展途上国での割合は半数近くに達した。

最も際立った中国国民のイメージには「勤勉で献身的」

海外調査対象者の中国国民に対する印象は多くが積極的でポジティブなものだった。先進国に比べると、中国国民に対しては発展途上国がより良い印象を持っていることがわかった。

2015年の調査結果と同様、海外調査対象者の間では中国国民を「勤勉で献身的」と考える人の割合が最も高く、「団体主義」「親切で友好的」「誠実で謙虚」がこれに続いた。一部の海外調査対象者、とりわけ先進国の調査対象者の間では依然として、中国国民を「伝統的で保守的」「開放や革新を欠く」と考える人の割合が高かった。

中国の未来の発展を海外調査対象者は信頼 中国が世界最大のエコノミーになると予想

海外調査対象者の多くは中国の未来の発展に明るい見通しを持っている。先進国と発展途上国ではいずれも、中国の国際的な地位と世界における影響力はこれからも高まり、中国が新たなグローバル化をリードし、グローバル・ガバナンスにより多くの貢献をすると考える人の割合が高かった。中国がまもなく世界最大のエコノミーとなると予想する海外調査対象者の割合は2013年の17%、2014年の20%、2015年の24%から、2016-2017年では33%と、年々勢いを増して拡大しており、中国の未来の経済発展の見通しは世界の信頼を獲得している。これと同時に、36%の海外調査対象者は、中国の直面する貧富の二極化や環境汚染などの問題や挑戦に注目している。

中国の政治と外交のイメージ

「全面的に厳格な党内統治」が最も際立った中国の執政党のイメージに

中国の執政党に対する海外調査対象者の印象は「全面的に厳格な党内統治」が最も多く、「強力な組織動員能力を持つ」と「高度な団結力を持つ」がこれに続いた。中国の執政党を「民衆の支持を受けている」「学習と革新の能力が強い」と考える人の割合は発展途上国の方が先進国より明らかに高かった。

中国の発展の路線とモデルは「中国の急速な発展の主要原因」との認識

海外調査対象者は総じて、中国の発展の路線とモデルが中国の急速な発展の主要な原因となったと考えており、発展途上国ではとりわけそう考える人の割合が高かった。「国有経済が主体を占めている」は、中国の発展の路線とモデルに対する海外調査対象者のもう一つの主要な印象となった。

先進国と中高年層と比べると、発展途上国と若年層は、中国の発展の路線とモデルがもたらした積極的な效果をより認識できる傾向にある。

発展途上国は中国との外交関係をより重視

海外調査対象者の多くは、中国との外交関係を重視し、より良い発展に期待を寄せている。発展途上国の態度は先進国に比べると明らかに積極的なものとなっている。

経済・貿易と科学技術の分野での中国との協力の強化に最大の期待

海外調査対象者は、中国政府が提唱する大部分の協力措置は利益をもたらすものだと考えており、とりわけ中国との「経済・貿易協力」(63%)と「科学技術協力」(61%)の拡大を希望している。

先進国は、中国との経済・貿易での協力を最も評価し、中国がより多くの本国の商品を輸入することを期待している。発展途上国は一方、中国との科学技術での協力がもたらすメリットを最も評価している。中高年層と比べると、海外の若年層は、本国が輸入する中国産品に対してより積極的な態度を持っている。

「一帯一路」イニシアティブに幅広い評価

2014年の調査では、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」のどちらも聞いたことがあった海外調査対象者は6%にすぎなかった。今回の2016-2017年調査では、「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブの認知度は18%に達し、インドネシアやインドなどの沿線国での認知度は40%以上に達している。

「一帯一路」イニシアティブを知っているという調査対象者の多くが、このイニシアティブが、個人や国家、地域、世界経済、グローバル・ガバナンスに対していずれも積極的な意義を持つと考えており、とりわけ発展途上国と海外若年層の間ではそう考える人の割合が高かった。

中国のBRICS協力メカニズムにおける役割に期待

6割を超える海外調査対象者は、BRICS協力メカニズムの中での中国の活発な動きを評価しており、中国がその中でより積極的な役割を果たすことを期待している。とりわけ発展途上国と海外若年層の期待が高かった。

BRICSの議題で最も注目されているのは「経済協力」(52%)で、「科学技術革新」(34%)と「環境保護」(32%)がこれに続いた。

中国経済のイメージ

中国経済の国際的な影響力が広く認められる

各国の経済的な影響力のランキングでは、中国の経済的な影響力は米国に次ぐ世界2位と評価された。

2015年と同様、海外調査対象者の多くは、中国の経済発展は世界の経済発展を推進し、中国は経済・貿易分野での他国との協力に積極的で、他国も中国の経済発展から利益を得ていると考えている。

先進国と比べると、中国の経済的な影響力に対する評価は発展途上国でより積極的なものとなっている。

中国はますます多くの国の最大の貿易相手国に

海外調査対象者は、中国がますます多くの国の最大の貿易相手国となりつつあり、中国市場の需要は依然として大きく、中国経済はまだ急速な成長を保っていると考えている。

総体的に見ると、中国経済の現状に対しては発展途上国の評価がより積極的である。海外産品に対する需要を含む中国市場の需要については、先進国でこれを認める割合が発展途上国を上回った。

中国企業は現地に資金や技術、雇用機会をもたらす

海外調査対象者の目には、中国企業の参入と発展が現地に新たな資金や技術をもたらし、雇用の機会を増やしたと映っている。

2015年と比べると、中国企業が現地の企業とブランドの発展に影響すると考える人の割合は明らかに減少した。

従来産業のブランドの認知度のランクが上昇

海外調査対象者の認知度でトップ5に入った中国ブランドは順に、聯想(レノボ)、華為(ファーウェイ)、阿里巴巴(アリババ)、中国国際航空公司、中国銀行だった。2015年と比べると、中国銀行や比亜迪汽車(BYD Auto)などの従来産業のブランドの認知度のランクが比較的大幅に上がっている。

品質問題が依然として中国ブランドの海外発展を妨げる主要な原因に

63%の海外調査対象者は中国産品の品質問題に不安を持っており、この割合は2015年とほぼ横ばいだった。

中国ブランドの知名度は高くないと考える人の割合は発展途上国が明らかに先進国より高かった。先進国では一方、より多くの調査対象者が、中国ブランドのアフターサービスが良くないと考えていた。

これと比べると、海外若年層は中国ブランドをより信頼しており、中国ブランドの品質とアフターサービスへの懸念は中高年層より明らかに少ない。

中国の文化と科学技術のイメージ

中華料理が中国文化を最も代表する要素に

中国文化の代表的要素としては、海外調査対象者はまず「中華料理」(52%)を選び、「漢方医薬」(47%)と「武術」(44%)がこれに続いた。中国文化の代表的な要素に対する見方は国内外で一定の違いがある。儒家思想や古典籍、曲芸雑技などの伝統文化については、これを中国文化の代表的要素と考える海外調査対象者の割合は明らかに国内調査対象者よりも低く、中国製品や科学技術の発明などの要素を挙げる割合は国内調査対象者よりも高かった。

中国の飲食文化が歓迎受ける

8割近くの海外調査対象者は中華料理に触れたことがあった。中華料理に触れたことのある割合は先進国と海外中高年層の方が発展途上国と若年層よりも高かった。中華料理を試したことのある調査対象者のうち72%が高い評価を示している。

中医薬文化が高い評価を獲得

3割の海外調査対象者は漢方医薬文化に触れたことがある。触れたことのある人の割合は発展途上国の方が先進国より高かった。漢方医薬文化に触れたことのある調査対象者のうち64%はこれを評価しており、この割合は発展途上国で73%、海外高年層で70%に達した。

中国の科学技術革新能力が世界に認められる

59%の海外調査対象者は中国の科学技術革新能力を評価しており、この割合は発展途上国では71%に達した。

海外で認知度の最も高い中国の科学技術成果は「高速鉄道」(36%)で、「有人宇宙技術」(19%)と「スーパーコンピューター」(16%)がこれに続いた。

中国の科学技術成果に対する認知度は全体として発展途上国の方が先進国より高かった。高速鉄道と有人宇宙技術に対する認知度は海外の中高年層で若年層より高かったが、スーパーコンピューターや北斗衛星ナビゲーションシステムなどに対する認知度は中高年層の方が若年層より低かった。

情報接触ルート

中国への理解度は発展途上国で顕著に上昇

中国をどれだけ知っているかについては、27%の海外調査対象者が「とてもよく知っている」または「比較的よく知っている」を選んだ。この割合は発展途上国で36%に達し、前回から7ポイント高まった。中高年層に比べると、海外の若年層は中国をよりよく知っていると考えている。

中国産品を通じて中国を知る人の比重が顕著に増加

中国の情報を知る最も主要なルートは2015年と同様、現地の「従来メディア」(61%)、「ニューメディア」(43%)、「中国産品の使用」(41%)が多く、とりわけ中国産品の使用の比重が顕著に増え、6ポイント拡大した。

年齢別に見ると、海外中高年層は従来メディアを情報ルートとする割合が高く、若年層はより多くがニューメディアを通じて中国の情報を得ている。

中国メディアの海外伝播の主要な障害は「どの中国メディアを見ていいかわからない」

海外調査対象者が中国メディアに触れない原因は「どの中国メディアを見ていいかわからない」(25%)がトップで、「表現方式がぎこちなく、よくわからない」(19%)が第2位、「すでに普段見ているメディアがある」(18%)が第3位だった。

中国の科学技術と文化の分野の情報が最も関心受ける

海外調査対象者が中国メディアを通じて知りたい内容としては、中国の「科学技術」(38%)や「文化」(37%)の比重が最も高かった。

中国メディアの伝播する内容に対する興味は全体として発展途上国の方が先進国より高かった。

年齢層で比較すると、海外の若年層は中国の娯楽や教育の情報により興味を持っており、中高年層は中国の歴史や国民生活の情報により大きな興味を持っている。

中国に来る意欲

中国に来る意欲は発展途上国と海外若年層で最高

今後3年以内に中国に学習や勤務、観光に来る計画のある海外調査対象者の割合は3割近くに達し、この割合は発展途上国では4割近くに達した。中国に来る意欲の最も高い4カ国はいずれも発展途上国で、インドネシア(60%)とサウジアラビア(52%)、インド(51%)、ロシア(41%)だった。

中国に来る意欲は海外の若年層で明らかに中高年層より高かった。

訪問を計画している地域がより広範に

2015年とほぼ同様、海外調査対象者に最も人気の中国の都市のトップ3は依然として北京(38%)、香港(27%)、上海(25%)だったが、同時に、訪問を計画している地域は国内のその他の都市に分散し始めており、中国での目的地の選択は日増しに多様化している。

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