【週末美術館】重慶記憶

Record China    2010年3月7日(日) 15時1分

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西洋絵画の陰影表現を取り入れたメリハリのある水墨画を展開する張益昇。高層ビルの森林が連なる内陸都市・重慶の風景を、伝統にとらわれない新しい感性で描いている。

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西洋絵画の陰影表現を取り入れたメリハリのある水墨画を展開する張益昇(ジャン・イーション)。台湾出身でありながら中国・四川省で精力的に活動し、高層ビルの森林が連なる内陸都市・重慶の風景を優れた感性で描いている。

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「重慶記憶」と題された連作では、伝統的な水墨画に見られない3つの要素が作品を独特のものにしている。従来、水墨画は花鳥風月をモチーフとするものだが、この連作では都市の情景を描いている。また、印象的なハイライトに見られる陰影表現も新鮮だ。光線を意識した西洋的な描画は作品に立体感と奥行き、強さを与えている。さらに、折り重なるように乱立する高層建築物を抽象化して表現し、作者の心の眼に映った情景を描き出している。

ならば、西洋画で描けばよいのでは?という疑問は無用。年間を通じて陰鬱な雲や霧で覆われ、湿気を含んだ重苦しい空気を放つ重慶のたたずまいに、水墨という手法が適っているからだ。(文/山上仁奈)

●張益昇(ジャン・イーション)

1981年生まれ、台湾・彰化県埔塩郷出身。画家。台北市私立泰北高校・美術工芸科、台湾芸術大学・書画芸術学学科卒業。四川美術学院で研修を受けたのち、2008年に台湾芸術大学・書画芸術学学科の修士課程を修了。2009年より中国・重慶の坦克庫.重慶当代芸術センターに所属。代表作に「重慶記憶」「漂流都市」「光と影」など。

※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。

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