微信の「高級品店」新機能にブランド品続々、狙いは売上よりも影響力

人民網日本語版    2018年1月9日(火) 8時0分

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電子商取引プラットフォームにおける凄まじいほどのユーザー数と若い消費者層がますます多くのブランドから注目を集めている。微信(WeChat)はこのほど、最新バージョンに「公式精品店(高級品店)機能」という新機能を追加した。

電子商取引プラットフォームにおける凄まじいほどのユーザー数と若い消費者層がますます多くのブランドから注目を集めている。微信(WeChat)はこのほど、最新バージョンに「高級品店」という新機能を追加した。これは、WeChat内で使えるミニアプリ「WeChat Mini Apps(微信小程序)」に続く、オンラインショップと消費者を繋ぐWeChatの新たな機能で、多くのブランドの注目を集め、同サービスへの参入を促している。潜在的なユーザーさえうまく運用できれば、ブランド側に大きな収益がもたらすと分析されており、同機能に参入した高級ブランドの一部は、これまで中国のどの第三者電子商取引プラットフォームにも出店したことがなかったブランドとなっている。これは、WeChatがそうしたブランドが電子商取引プラットフォームに参入するきっかけとなっていることを示している。また、ブランド側にとって、WeChatの同機能における商品の大量販売ではなく、若者の間での影響力を高めることが真の狙いとなっている。北京商報が伝えた。

現在までに、WeChatの同機能に参入しているのは、グッチ、ランコム、ルイヴィトン、ナイキ、スターバックス、スワロフスキー、ティファニー、ZARAなどのブランドで、スポーツからファッション、ぜいたく品などさまざまな分野に及んでいる。

天猫モール(Tmall)や京東商城などの第三者電子商取引プラットフォームと異なり、同機能は、WeChat端末というプラットフォームを借りてブランド自身が運営しており、カスタマーサービスも直接メーカーのカスタマーサービスに連絡を取る形となっており、WeChat独自のカスタマーサービスは設けられていない。

現在のところ、参入しているブランドラインナップは、中・高級路線となっており、出店ブランドは、当面の間、大衆化は考えられておらず、オンラインで商品が販売される時間も非常に短いことから、ほとんどの商品がサイズ切れもしくは品切れ状態となっている。

また、決済に関しても現時点ではまだ一定の制限が設けられており、ほとんどのぜいたく品がWeChatでの高額支払いが不可能となっている。銀行側が同機能に対応する業務をスタートさせていないため、高額決済には携帯端末にUSBキーを挿して決済処理をしなければならず、ユーザーにとっては非常に面倒なプロセスであり、ユーザエクスペリエンスが低下する。そのためWeChatがこの問題を解決しない限り、消費ブームの到来は望めないと見られている。

●ぜいたく品のEC化

実際のところ、ぜいたく品ブランドが中国で電子商取引業務を展開することは、目新しいことではない。また、ぜいたく品がWeChatプラットフォームに初参入したという訳でもない。フランスの老舗ブランド・エルメスは、2017年10月に2回連続でWeChatプラットフォームにおける運用を行っているほか、WeChatクライアントでは米アップルとタイアップして時計とスニーカーを販売した。

だが、ぜいたく品ブランドのオンライン・オフライン販売ルートは完全に確立されているわけではない。たとえば、ルイヴィトンの場合、電子商取引サービスを始め、オンライン・オフライン同時販売を行っているが、オンラインで商品を購入した消費者は、オフラインで商品を受け取ることはできない。また、ぜいたく品分野の電子商取引ルートの展開は緩慢で、現時点では、オフラインの実店舗に何の影響も及ぼしてはいない。

第五大道贅沢品ネットワーク連合の創始者である孫多菲COOは、「WeChatは、新たな重要なブランド集積地となる力を備えている。WeChatはすでに一種のツールとなり、チャットに限らず、消費にも応用できるようになった。また、WeChatに対する消費者のロイヤリティーは極めて高いことも、ぜいたく品ブランドにWeChatが新たなルートを提供することを可能にしている。現在、消費者は1日あたり数時間、WeChatを利用している。トイレを利用している時でさえもモーメンツ(WeChatのソーシャル機能)を使っているほどだ。セグメント化された今の時代に、消費者はわざわざ時間を割いてアプリをダウンロードして商品を購入することは望まず、さまざまな機能を備えた1つのアプリを駆使することを望んでいる。また、WeChatは、ユーザー数と普及率において、市場のその他大多数の同類アプリを上回っており、新たなブランド集積地となる能力を十分に備えている」との見方を示した。

また別の業界関係者は、「多くのぜいたく品ブランドがWeChatプラットフォームの参入しようとしている背景には、巨大なユーザー数だけでなく、WeChatが若年層の間で影響力を拡大ための『架け橋』であるとこれらのブランドが認識しているためだ。『橋渡し』の役割を担うこの『架け橋』を利用することで、より多くの若年消費者層が自社製品を購入してくれることを、彼らは狙っているのだ」と指摘した。(編集KM)

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