ボランティア等との棲み分けが課題、通訳ガイド制度の見直しで―東京SGGクラブ藤井会長

Record China    2010年2月21日(日) 10時32分

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2010年2月、東京SGGクラブの藤井一男会長はこのほど、観光庁の検討会で話し合われている「通訳案内士制度」について、有資格ガイドの仕事とそれ以外との境界があいまいで、「棲み分けをしていないことが問題の根源のようだ」と指摘した。

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2010年2月、ボランティアガイドの団体である東京SGGクラブ(東京都台東区)の藤井一男会長はこのほどレコードチャイナのインタビューに答え、観光庁の検討会で話し合われている「通訳案内士(通訳ガイド)制度」について、有資格ガイドの仕事とそれ以外のボランティア、添乗員などがすることの境界があいまいになっており、「棲み分けをしていないことが問題の根源のようだ」と指摘した。そのうえで、英国やイタリアのようにツアー添乗員でもできるような仕事は添乗員に任せ、重要な観光地における専門性の高い案内を知識・力量があるプロが行うような「競争優位性」を生かせる体制が必要だとしている。

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また、通訳ガイドの収入が低く一部で「ワーキングプアー業界」と言われる現状については、「そういう資格が果たして必要なのだろうか」と疑問を呈し、帰国子女も増え英語など外国語が堪能な人材が増えている現状では、語学よりむしろガイドとしての専門性を計る試験が必要だとの考えを示した。

インタビューの詳細は以下の通り。

◆◆◆◆◆

1)ボランティアガイドについて

ボランティアガイドの仕事は無償であり有資格の通訳ガイドとは明確に一線がある。同行案内や観光施設での案内に加えて、東京SGGクラブでは浅草の観光案内所でのカウンター業務やJNTOのインフォメーションセンターでの旅行案内などもしている。案内する対象に制限はなく来る者は拒まずだ。

東京SGGクラブは現在会員約130人で、新入会員には有資格ガイドも半分くらいいる。地域に根ざして案内しているのであまり有資格者と遜色がない、かなりのレベルにある。

2)検討会の議論について

業務の棲み分けをしないのが問題の根源ではないだろうか。

有資格のガイドの仕事と、ボランティアや添乗員がすることの間の境界があいまいであり、ツアーの添乗員ができるようなことを有資格ガイドがしているとしたら逆に添乗員が不愉快だろう。(コストを下げたいという)旅行会社のご都合が混乱を招いているのなら、ガイドの仕事の基本に戻って、知識、力量が発揮できるようにすべきだ。有資格者は、何を強みとしてやって行くのか「競争優位性」を明確にしないといけない。

3)現在アジア地域からの日本ツアーの9割以上が有資格ガイドを使用していない問題について

先に旅行したイタリアではツアーバスが現地に着くと、現地ガイドが来ていて案内をしたし、英国でもシェークスピアの生家などではプロでなければできないような案内をしてくれる。日本でも法隆寺などではそうした体制がとれれば良い。

4)通訳ガイドの業界が「ワーキングプアー業界」とも言われることについて

そういう資格は本当に必要だろうか。今は帰国子女など英語を話せる人が本当に増えており、高度な語学力を試す試験を行う必要があるのだろうか。むしろプロのガイドとしての専門的な知識や、資質を計る試験が必要でしょう。

(インタビュー・三木)

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