「外交問題」化したグーグルの中国撤退問題=進出は何をもたらしたのか―JMM

Record China    2010年2月1日(月) 15時50分

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2月1日、ライターふるまいよしこ氏は、作家村上龍氏のメールマガジンJMMの記事『大陸の風−現地メディアに見る中国社会』(第168回)で、米のインターネット検索エンジン・グーグルによる中国撤退問題について解説した。写真は中国のグーグル。

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2010年2月1日、フリーランスライターふるまいよしこ氏はこのほど、作家村上龍氏のメールマガジンJMMの記事『大陸の風−現地メディアに見る中国社会』(第168回)の中で、米のインターネット検索エンジン・グーグルによる中国撤退問題について解説した。

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同氏は、今やサイバー攻撃や検閲を含むこの問題が中国外交部(外務省)が担当する「外交問題」化しており、西側メディアでも「検閲か、開放か」という点からの中国の「言論の自由化」に向けた圧力的な言論が展開されており、皮肉にも中国外交部が繰り返す「サイバー攻撃を理由に中国政府に圧力をかけている」という図式になっていると分析。

そのうえで、議論が外交、検閲、自由という中国問題を語る時のいつもの「キーワード」に収まった結果、「グーグル」という革新的な会社の存在が、中国に、特にその中の人たちにいったい何をもたらしたのかという視点が抜け落ちていると指摘。中国におけるグーグルのシェアやライバル企業である「百度」の存在が現場でどんな意味を持つのか、英「フィナンシャル・タイムズ」の中国語サイトにも寄稿しているプログラマー出身のITコラムニスト霍炬氏のブログ記事「グーグル、百度と谷歌のこと」(「谷歌」は「ぐーごぉ=グーグルチャイナ」を指す)を取り上げて説明した。

霍氏の記事は1)グーグルの対中進出と現地法人谷歌の位置づけ 2)グーグルと百度の競争の実態 3)百度幹部によるグーグル批判―などについて論じている。

霍氏は「事件がグーグルの中国におけるシェアに打撃を与えたと(中国のライバル企業が)喜ぶのは間違っている。現実には、中国のインターネット市場が消失したのである」と厳しく指摘、「この国で脈々と温められてきたインターネットの時代はここで終わり」「これはこの業界にいる一人ひとりにとっての悲劇だ」としている。

(編注・「グーグル、百度と谷歌のこと」の詳報は別稿)

●ふるまいよしこ

フリーランスライター。北九州大学卒。1987年から香港在住。近年は香港と北京を往復しつつ、文化、芸術、庶民生活などの角度から浮かび上がる中国社会の側面をリポートしている。著書に『香港玉手箱』(石風社)。女優、漫画家、ブロガー、中国の著名人18人にインタビューした「中国新声代」(中国書店)を2月に刊行。(編集・NK)

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。

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