台湾でも市中感染は起こっている?メディアが注意喚起―中国紙

Record China    2020年3月2日(月) 20時50分

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中国紙の環球時報は2日、台湾で新型コロナウイルスの院内感染が発生したことについて、市中感染が起こっている可能性に言及する記事を掲載した。写真は台北。

中国紙の環球時報は2日、台湾で新型コロナウイルスの院内感染が発生したことについて、市中感染が起こっている可能性に言及する記事を掲載した。

台湾の中央感染症指揮センターは先月29日、台湾で新たに5人の新型コロナウイルスの感染が確認されたと発表。そのうち4人は、台湾内で34番目の感染患者に関連して院内感染したと明かした。34番目の感染患者は、持病による体の倦怠(けんたい)感などのため、先月14日に台湾北部の病院に入院した。入院当初は呼吸器の異常はなかったが、21日に症状が現れ、28日に新型コロナウイルスの感染が確認された。これを受け、この感染患者が入院していた病院の職員らにスクリーニング検査を実施したところ、4人の感染が判明したという。同センターの幹部、台湾衛生福利部疾病管制署の荘人祥(ジュアン・レンシアン)副署長は、「深く調査したところ、(今回院内感染が判明した4人の)接触者は広範囲に及ぶ模様だ。3月1日午前までですでに300人を突破している」と述べた。

こうした中、環球時報の記事は、「台湾の多くの大学は2日に新学期が始まる。しかし、このほどの院内感染の発生を受け、多くの台湾メディアは、病院が医療系の学生たちの実習を一時的に休止するかどうかに注目している」と伝えた。中央感染症指揮センターの指揮官を務める、台湾衛生福利部の陳時中(チェン・シージョン)部長(日本の厚生労働相に相当)が1日、「防疫と医療研修の角度から見て、カリキュラムを適切に分配しても良い。新人は、しばらくは医療機関に入らず、医療機関の外で準備を整えてからまた現場に戻る」と述べた他、台湾の教育部も「もし実習先で感染が発生した場合、まだ実習を始めていない学生は実習を延期すべきだ」としているという。

記事は、「多くの医療実習生が恐怖を感じている」とし、「台湾の中で、大きな病院で歩き回る可能性が最も高いのは長庚(大学)の学生だ」「病院の呼吸器科で実習しているが、感染の疑いがある人が搬入されてきたのを見て、毎日怖い」などの声を寄せる学生もいたと紹介。これを受け、長庚大学は医療系の学生らに「学生の安全を考え、2日から林口長庚病院での実習と活動をしばらく休止する」と発表したという。

記事はまた、「台湾の世論では、院内感染の発生は、スーパースプレッダー(多くの人への感染拡大の源となった患者)が出現したことを意味するとの見方も出ている」と伝えた。台湾の重症急性呼吸器症候群(SARS)対策の専門家、蘇益仁(スー・イーレン)氏は、「今回、院内感染した患者は看護師と清掃員で、(感染が疑われる)範囲はさらに救急外来や病室へと広まった。病院を恐れて逃げ出す人が現れる可能性があるほか、病院にはさまざまな関係者が出入りしていることも懸念されており、接触者を把握することはいっそう難しい。病院を除いても、すでに無症状の感染患者は現れている。より進歩した、最高レベルの防疫体制が求められる」と話したという。

最後に記事は、台湾メディア・中国時報の1日付の論評を紹介した。同論評は、「台湾政府は主体的にコミュニティー単位のスクリーニング検査を実施していない。市中感染がすでに発生していることを認めていないため、入院患者の診断が遅れることになり、院内感染が生じるのは当然のことだ。市中感染を指摘する声を、メンツの問題のために弾圧または否定している」と批評。「旅行歴がある人のみに注意を向けるのはやめるべきだ」と呼びかけた。さらに、「(市中感染を認めない)上層部の圧力の下、台湾の人々の、最近の新たな感染例についての関心を、あれこれと工夫して濃厚接触者の追跡に向くようにし、感染源(に対する関心)を薄めている。多くの人々が家族や国外に渡航歴のある人から感染すると考えているが、市中感染が原因になっている可能性は非常に高い」とした。(翻訳・編集/毛利)

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