<写真で見る中国の今>「たった1回の診察のため」夜通しの行列にもみ合い…パンク寸前の医療事情

Record China    2009年11月7日(土) 1時48分

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2日、湖南省長沙市。夜のとばりに包まれた深夜の病院に、長蛇の列ができあがっている。何も珍しい光景ではない。ここで連夜のごとく繰り広げられているのは、翌日の外来診察を待つ人々の過酷な戦いだ。中国の大病院はどこも似たような状況だという。

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2009年11月2日、湖南省長沙市。夜のとばりに包まれた深夜の病院に、長蛇の列ができあがっている。何も珍しい光景ではない。ここで連夜のごとく繰り広げられているのは、翌日の外来診察を待つ人々の過酷な戦いだ。瀟湘晨報の報道。

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中国で医療機関の診察を受けるのは一般的に一苦労だ。また、医療費の高さも大きな負担となっている。その背景になっているのは、医療制度の改正によって、医療費が全額国家負担から個人負担へと切り替えられたこと。一般庶民は病気になってもよほどの症状でない限り、民間療法や薬局での薬購入で済ませたいと考えている。そして病院へ出向くのは、症状がよほど重篤化してからとなる。すると、街の診療所レベルではもう歯が立たない。都会の大病院へ行くことになる。そうした大型医療機関は、似たような事情を抱えた患者であふれかえっている。こうして、冒頭のような深夜の大行列ができあがる。たった1回の外来診察、たった1枚の受診整理券のために、そもそも不調を抱える病人が、吹きっさらしの屋外で夜通し待ち続けることになる。

湖南省岳陽市在住の楊燕(ヤン・イエン)さんは、病に伏せる夫と母を連れて同省省都の長沙市へやってきた。「必ずや、都会のいいお医者さんに診てもらおう」と、某病院の玄関口に到着したのは深夜2時のこと。幸い、彼女の前に並んでいるのはまだ2〜3人。翌日の診察を受けられるのは確実だと思った。

しかし、ひんやりと冷え込む地べたに座り、冷たい夜風に吹かれる時間は、思いのほかつらかった。背後にはどんどんと行列ができあがり、おしくらまんじゅうのように楊さんの体を押してくる。楊さんも負けじと、彼らを押し返す。

早朝5時半。外来診察の整理券配布が始まった。一斉に窓口に殺到する群衆。楊さんはそのすさまじい争奪戦の中、何と肩を圧迫骨折してしまう。かくして、ようやく手に入れた整理券は、楊さん自身の診察のために使われることとなってしまった。受診をめぐるこうした攻防は、中国各地で起こっている。(翻訳・編集/愛玉)

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