<上海万博>なぜ悪い「パジャマ外出」?政府が禁止通達も、変えがたい長年の“合理的習慣”―上海市

Record China    2009年10月29日(木) 17時34分

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29日、来年開催される上海万博に向け、上海市政府は今年7月下旬より「パジャマ外出禁止令」を出した。パジャマを着たまま近所へ出かける風景は上海では珍しいものではなく、その長年の習慣を変えるのは一筋縄ではいかないようだ。写真は上海万博の会場。

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2009年10月29日、来年5月に開催される上海万博に向け、地元住民らの「国際」意識を高める啓蒙活動の一環として、今年7月下旬より上海市政府は「パジャマ外出禁止令」の通達を出した。パジャマを着たまま近所へのちょっとした買い物などに出かける風景は上海では珍しいものではなく、その長年の習慣を変えるのは一筋縄ではいかないようだ。中国新聞週刊の報道。

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団地の敷地内や近所の市場、スーパー、商店などへパジャマを着たままで出かけることは、一種の「上海の市井文化」と記事は定義した。「すぐそこまで出かけるのに、なぜ身なりを整える必要性があるのか?」体裁を取り繕うよりも、便利さ・合理性・気軽さ・気安さを優先する現実主義の上海人の姿がこの習慣に現れている。中には派手な柄などをあしらった外出用の「見せパジャマ」まであるそうだ。

しかし、そんな長年の習慣に「NO!」をつきつけたのが地元政府。「国際都市としてのマナーを」と、7月下旬より禁止令を通達し、万博会場周辺の各住宅地で啓蒙活動を展開している。10人のボランティアからなる「服装指導隊」を団地や集合住宅の出入り口に配置し、違反者へ徹底した“指導”を行っている。

実施からまもなく3か月。市民らからは「なぜそこまで干渉するんだ?」「政府が市民の服装まで口出しするのか?」と反発を食らい、各地の住民管理委員会も頭を悩ませているという。夏休み期間中には健気な児童たちを指導隊員として稼働させたり、「その格好で外国人たちに遭遇するかも」「あなたたちは万博の主人公」「上海のメンツを保とう」などの文言で上海人のプライドを煽ったり、「お元気?どちらへいらっしゃるの?そんな服装で?」と、日常会話の中に服装の話題を滑り込ませるなど数々の工夫をするも、明確な効果は得られない。

上海のポータルサイト・上海熱線が7月下旬に行ったアンケートでは、この「パジャマ外出」の習慣について、42%の回答者が「非文化的行為。教養に欠ける」とするも、「便利だからよい(34%)」「見たくないなら見るな(24%)」とする肯定派の回答が計58%にのぼり、否定派を上回った。また、上海社会科学院社会発展研究所が06年に行った調査では、16.5%が「パジャマでよく外出する」と答え、「時々外出する」も25%となった。

「NOと言われる理由」が心からは納得できない上海人に、この禁止令を徹底するのは難しそうである。(翻訳・編集/愛玉)

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