長江中下流域の生態系が危機に、生物多様性への影響懸念―中国

Record China    2009年8月15日(土) 22時14分

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13日、長江中下流域の生態系が破壊されつつあると伝えられた。「同流域の生態系がこのまま破壊され続ければ、もはや“母なる大河”ではなくなる」と懸念する声も上がっている。写真は長江での魚の放流。

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2009年8月13日、人民日報(電子版)によると、長江中下流域の生態系が破壊されつつあるという。

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今年の夏、専門家・医師・新聞記者など総勢20人余りで結成された科学調査チームによって、長江源流域に生息する動植物やその環境を把握する実地調査が行われた。同調査は、長江漁業資源管理委員会(長漁委)、世界自然保護基金(WWF)が合同企画したもので、中国科学院水生生物研究所をはじめとする専門家らが参加した。

同調査のチームリーダーで、長漁委・事務局の趙依民(ジャオ・イーミン)副主任は、「農地開拓や乱獲、流域開発など長年にわたる人間活動によって、金沙江(長江の上流部)より下流の水生生物が全面的に危機に瀕している」と指摘する。例えば「長江三鮮」と呼ばれるエツやジギョなどは姿を消しつつあるし、カラチョウザメやエンツュイに至ってはいっそう稀少な存在になりつつある。また、四大家魚(アオウオ・ソウギョ・コクレン・ハクレン)の年間自然繁殖数も、三峡ダム建設の着工前よりかなり減少しているという。

「長江中下流域の生態系がこのまま破壊され続ければ、もはや“母なる大河”ではなくなる」と懸念する声も上がっている。生物の多様性が失われつつある背景には、気候変動といった自然的要因もあるようだ。研究資料によると、1960年から同流域では、10年ごとに約0.27度ずつ気温が上昇しているという。また、氷河や永久積雪も1967年の1406平方キロメートルから2000年には1170平方キロメートルに減少しており、「こうした変化が、同流域に生息する魚類など水生生物に深刻な影響を与えた」と指摘する専門家もいる。(翻訳・編集/SN)

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