【週末美術館】操り人形 ―キモかわいい世界観―

Record China    2009年6月27日(土) 23時56分

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日本アニメの影響も感じられるような「キモかわいい」作品を展開する80年代生まれの画家・付豫。荒涼とした色彩やそこはかとなく漂う恐怖感、現実離れした世界観には、我を失い、生きにくさを抱えた自己が投影されている。

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日本アニメの影響も感じられるような「キモかわいい」作品を展開する80年代生まれの画家・付豫(フー・ユー)。荒涼とした色彩やそこはかとなく漂う恐怖感、現実離れした世界観は、自己の内心そのものだというが、それはいったいどのような心象風景なのだろうか?

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作中にたびたび登場するネズミや操り人形だが、これは自身の内心を表現する的確なツールであるという。単なる「好き」という感情を越え強い共感を覚えるネズミ、自己を投影する心の鏡である操り人形…とくに、見えない手によって意のままに操作される操り人形には、現代の生活や社会の中で我を失った自分を強く重ね合わせているという。

作品のいくつかには、まるで幼児が書く絵日記のように、日付やその日の天気が記されている。そこには「今日の気分」という項目も加えられ、困惑・悲愴・憂鬱…といった言葉が並ぶ。晴れることのない気分、この世の生きにくさといったものを抱えながら、それでも“描く”ことによってまた1日を生き延び、自らを前へ推し進めていく1人の若者の息吹が小さく息づいている。(文/山上仁奈)

●付豫(フー・ユー)

中国の若手アーティスト。1982年生まれ、山西省臨汾市出身。中国芸術研究院在学中。代表作に「ネズミ」「操り人形」など。

写真提供:匯泰国際文化発展有限公司(中国・天津

※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。

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