<レコチャ広場>08年販売1千万台へ上方修正、まだ続く自動車市場の勢い!自転車で走るのが恐い…―中国

Record China    2009年5月17日(日) 9時20分

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09年5月、個人ブログ「全人類の中国分析」は、販売台数界一を記録した中国の自動車市場の勢いは「しばらく続く」と指摘。一方で、「車がないと命にかかわると感じるようになってきた」としている。写真は業界9位の中国メーカー、吉利汽車製の乗用車。

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2009年5月、レコードチャイナのライターによる個人ブログ「全人類の中国分析」は、4か月連続で販売台数世界一を記録した中国の自動車市場の勢いは「しばらく続く」と指摘。自らも自動車を購入せざるを得なくなった経験を踏まえて、「空気の汚染と交通事情の悪化で、車がないと命にかかわると感じるようになってきた」として、北京など一部の都市を除いて中国は、だんだん、車がないと不便な社会になってきているという現状を紹介している。

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同ブログの内容は以下の通り。

■中国自動車市場、なおも好調!08年の販売予想を1000万台乗せへ上方修正―中国

01年以降の中国の自動車販売台数は、以下のように推移しています。

2001年 127万台

2002年  191万台

2003年  296万台

2004年  338万台

2005年  397万台

2006年  517万台

2007年  879万台

2008年  930万台

2009年 1020万台(予想)

上の記事によると、中国の自動車市場は4か月連続で販売台数世界一を記録しています。

この勢いはしばらく続くでしょう。

中国の人口を仮に14億人として、137人に1人が今年新車を購入する計算になります。まだまだ潜在的に大きな市場です。近い将来1500万台くらいまではすんなり伸びていくのではないでしょうか。

2007年がひとつの転換点になっています。一般市民に、自家用車をもつことが現実的に受け入れられるようになった年です。この変化は大きいです。

実はわたしも、2007年に車を購入した者の1人です。

スズキと長安自動車の合弁会社・長安鈴木のSX4セダン、中国語では「天語」と呼ばれている車です。

個人的なことで申し訳ありませんが、それまで自転車で子どもを幼稚園に送迎していたのが、空気の汚染と交通事情の悪化で、車がないと命にかかわると感じるようになってきたことが理由のひとつ。公共の交通手段では仕事がこなせなくなった事情もありました。

北京など一部の都市を除いて中国は、だんだん、車がないと不便な社会になってきています。たとえばわたしの住むこの町では、車が増えて、道路が込むとバスも不便になる(地下鉄などありませんから)。それで、ますます多くの人が車を買うことになるのですが、そうすれば、車がなければ生活できない人がさらに増えるのです。車が増えることで、自転車レーンや歩道は狭められ、代わりに車線が増えます。排気ガスで空気も汚れ、汚い空気から逃れるために車を買う人がどんどん増え、どうしようもない悪循環に陥っていく…。

中国が、将来どういう都市環境をつくることを目指しているのか、そのビジョンが必要ですが、経済成長至上主義を取っている限りは、なかなか難しいものがあります。

車がなくても安全で便利な都市というのは、経済的な成熟の指標のひとつではないかと思っています。

1.6リッター以下の自動車購入に限り消費税の5%への引き下げ措置(通常10%)、ガソリン価格の20%近い値下げとガソリン税の導入延期措置などのゆえに、自動車販売台数が金融危機のなかにあっても伸びているというのは事実です。

しかし、自動車の増加の理由として見落とされがちな、他のいくつかの潜在的理由に目を向けなければなりません。そのひとつが、多くの市民を車を買わざるを得ない状況に追い込むインフラと都市環境政策です。前者の減税による優遇政策の効果は一時的ですが、後者は超長期的に働く要素ですから。

中国政府も苦しいところにあるのかもしれません。

今年は会社で、一気吉林大発の森雅を購入しました。日本のダイハツは生産していないようですが、インドネシアなどでも生産している、途上国向けのハッチバック多目的車です。比較的安価ですが、基本性能はばっちり、大量の荷物が積めます。営業・配送用にぴったりです。

社用なので中国ブランドも考えていましたが、故障率の高さと買った後のサービスが不安で、あきらめました。

1020万台の販売台数予想にもかかわらず、まだ台数の大半を日本メーカーやドイツメーカー、そしてGMや現代など外国企業と現地企業との合弁メーカーが占めています。中国ブランドが優秀な自動車を作り、それが中国人に受け入れられるまでには、もう少し時間がかかりそうです。(筆者:あるレコチャ・ライター)

■「全人類の中国分析」は「中国ニュースを材料に、情報を正しく解読することの大切さを伝える、あるレコードチャイナ・ライターのブログ。GoogleBloggerに掲載。

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