「第13回上海モーターショー」開催(2009年4月22〜28日)を控えた4月2日、北京吉利（ジーリー）大学では、上海モーターショーに参加するコンパニオンの選抜が行われた。

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中国自動車メーカー「吉利汽車(Geely)」とつながりのある同校は、中国でもいち早くモーターショー専門コンパニオンの養成学部を設置した大学である。吉利汽車のさまざまな展示会にコンパニオンたちを送りこむほか、他企業やイベントの依頼も受けている。吉利汽車が起用するコンパニオンは経験豊富で、その立ち居・振る舞いや顧客対応も完壁、高いプロフェッショナル性で昨年は企業のイメージアップに大きく貢献した。しかし、その一方で「玄人すぎて親しみに欠ける」との意見が寄せられたのも事実である。

これを受け、今年の吉利汽車はプロのコンパニオンと並行して、女子大生の中から新人コンパニオンを選出して起用することに踏み切った。選抜に参加した10人の女子大生はいずれも、吉利（ジーリー）大学コンパニオン養成学部の在校生。[ｼ余]麗麗（トゥー・リーリー）さんはその中の1 人だった。長身美女で有名な東北地方の出身で、彼女もその例に漏れず身長は180cm、スリーサイズはB83cm・W60cm・H88cmとスレンダー系の美女だ。まだ大学2年生の彼女だが、そのキャリアは先輩たちからも羨望を浴びるほど輝かしい。昨年は厳しい競争を勝ち抜き、北京五輪のコンパニオンも務めた。さらに、「ミス・ツーリズム・クイーン・インターナショナル2008」でも見事に第2位を獲得、河南省の観光イメージキャラクターに任命された。

この日は、専門家やメーカー幹部らで構成される審査団の厳しい審査を経て、彼女ともう1人、北京五輪コンパニオン経験者が選ばれた。二人ならどんなモーターショーやイベントに出演しても緊張などしないだろう。その後さまざまな研修を経て、麗麗さんは先輩コンパニオンたちと共に、上海モーターショーに参加した。

来場者側から見れば、彼女たちの仕事は至極単純なものに見えるかもしれない。しかし実際、コンパニオンというのは過酷な仕事だ。取材を進めると、彼女たちが最もつらいと感じているのは、終始ライトアップされた環境で肌の照明焼けが避けられない点だということがわかった。照明を落とすわけにもいかないので、ひたすら耐えるしかない。また、最近増えたカメラ小僧も悩みの種だ。異常なほどのローアングルに固執する来場者の対応は、そう簡単ではない。

モーターショー期間中、レコードチャイナ編集部スタッフは、1日のうち何度も何度も彼女たちの立つステージを通りがかったが、麗麗さんたちはいつ何時でも、完璧な笑顔と美しいポージングを保ち、大勢の来場者に車の魅力を紹介している。その姿勢はあっぱれだった。

「第6位、[ｼ余]麗麗」。人気投票の発表イベントで、司会者が彼女の名前を読み上げた。麗麗さんは盛大な拍手の中、表彰台に上る。

受賞式が終わり、レコードチャイナは沢山の来場者と記念撮影している麗麗さんに受賞の感想を聞いた。

「今一番したいことは何ですか？」

「眠いです、今すぐでも寝たいわ！」疲れきった彼女の本当の本音だった。

「彼氏はいますか？」

「いきなりそんな質問をするの？今はいないわ」

「そうですか、どんな男性が理想ですか？」

「私が身長が180cmもあるでしょ、だから私より背が高いのがまず第一条件ですね」

彼女は笑いながら言う。そして、彼女は身長170cm台の我々を見下ろし、慌てて「もちろん中身が何より一番大事だと思います」と付け加えた。

彼女は再び、来場者らとの記念撮影の対応に戻された。忙しい彼女の背中を見て、「お疲れ様です」と、別れの挨拶をする。その声はにぎやかな会場の騒音にかき消され、彼女の耳には届かなかったかもしれない。(取材・レコードチャイナ)