胡耀邦元総書記の死去20周年、政府機関は追悼式典行わず―中国

Record China    2009年4月17日(金) 14時50分

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15日、天安門事件の発端となった胡耀邦元総書記の死去から20周年を迎えた。中国政府機関は一切の追悼関連行事を行わない方針だが、多くの国民が同氏の死を心の中で悼んでいると伝えられた。写真は天安門。

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2009年4月15日、「天安門事件(89年6月)」の発端となった胡耀邦(こ・ようほう)元総書記の死去から20周年を迎えた。中国政府機関は一切の追悼関連行事を行わない方針だが、多くの国民が同氏の死を心の中で悼んでいると伝えられた。米国営ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」中国語版サイトの報道。

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胡耀邦元中国共産党中央委員会主席・総書記の死去20周年にあたる15日は、何事もなく平和に過ぎた。政府機関は追悼式典を行わず、同氏の墓所がある江西省で遺族らによる追悼行事がひっそりと行われるにとどまった。香港の中国人権民主化運動情報センターによると、政府要人などは出席しなかったという。

胡耀邦元総書記は80年代に改革開放路線を推進し、言論の自由化なども広めた人物。83年には中曽根康弘首相(当時)と首脳会談を行い、日中友好四原則を確立するなど親日派としても知られた。87年に失脚するものの国民の支持は高く、89年の死去を契機に、同氏追悼と民主化を求めるデモが拡大していった。これが同年6月の天安門事件へとつながることになる。

このほど、VOAの記者が北京市民らに取材を試みたところ、「胡耀邦元総書記は傑出したリーダーであり、国民は彼を忘れない」との意見が出た。自身のはっきりとした主張を持ち、腐敗を嫌い、裏表がなく、勇敢で責任感に富むという人物像が支持されているようだ。「これらの意見は、かつて批判され名誉を回復された右派分子から多く出ているようだ」と、時事政治系週刊誌・中国新聞週刊のコラムは分析している。一方、80年代以降に生まれた若い世代には、胡耀邦元総書記の存在や功績を知らない者が多い。

仏・AFP通信によると15日、天安門事件で片足を失ったという斉志勇(チー・ジーヨン)さんが当局に拘束されたという。胡耀邦元総書記の命日に絡んでのこととみられている。また、日本の複数メディアによると、すでに高齢となった元幹部ら12人が今月、胡元総書記らの名誉回復と天安門事件の再評価を求める文集を香港で出版する予定だという。胡耀邦・趙紫陽両元総書記の名誉回復を求めるこれらの動きに対し、政府当局は極めて敏感になっているという。(翻訳・編集/愛玉)

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