2009年2月3日、四川省の山奥に2000年前から存在するという少数民族・チャン族の村落がこのほど、「中国世界文化遺産申請候補リスト」に名を連ねたという。チャイナフォトプレスの報道。

【その他の写真】

四川省の省都・成都から約160kmにあるチャン族の村落・桃坪チャン族村は、石造りのがっしりとした古民家が立ち並び、村全体が淡い灰色で彩られた風情溢れる山村。昨年5月12日に発生した四川大地震の重篤な被災地となったが、多くの民家はびくともせず、奇跡的に生き残った。

チベット族の支族で遊牧民系のチャン族は、古くシルクロード周辺から一部が四川省西北部へ移住し、現在も同地の山間には彼らの村が点在している。中でもアバ・チベット族チャン族自治州理県に位置する桃坪チャン族村は、およそ2000年前に築かれ、最も古い村落に属している。全家屋が地下で繋がった要塞式の村で、水利や防火なども存分に考慮された、高度な文化の結晶である。

このほど、この桃坪チャン族村は「中国世界文化遺産申請候補リスト」に名を連ねたという。少数民族・チャン族の文化と歴史を語る貴重な遺産であることはまちがいないが、それに加え、過酷な天災に耐え抜いたことが、人類遺産としての価値をさらに高めたことは言うまでもない。(翻訳・編集/愛玉)