<年末特集>涙と笑いの08年を振り返る―中国

Record China    2008年12月31日(水) 23時56分

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08年12月、AFP通信社は、「08年の中国は涙と笑いでいっぱい」と題した年末特別記事で、今年1年の中国を振り返った。写真は四川大地震で深刻な被害を受けた北川中学。

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2008年12月、フランスのAFP通信社は、「2008年の中国は涙と笑いでいっぱい」と題した年末特別記事で、今年1年の中国を振り返った。

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特別記事の概要は以下の通り。

8月に開催した北京五輪では、世界中の視線を一身に集めた悠久の歴史を持つアジアの大国、中国。だが、成功までの道のりは決して平坦ではなかった。同じようにこの国は今年、多くの紆余曲折と苦難を経験している。世界最多の人口を誇る国として、中国経済はもはや無視できない存在にまで成長。ところが3月にチベット・ラサで騒乱が起こり、5月には四川大地震で未曾有の被害を被った。これにより本来であれば歓喜と希望に満ちた年になるはずの2008年が、一気に灰色に塗りつぶされてしまった。

「中国がこの1年に遭遇した困難の数々は、予想を遥かに超えていた。中国指導部は北京五輪を成功させるべく必死の努力をしていた」と振り返るのは香港城市大学の中国問題専門家、鄭宇碩(ジョン・ユーシュオ)氏。「この1年、我々はどんなことをして来たか。どれが正解でどれが不適切だったか。今はそれらを総括する時だ」と語った。

2008年の初めには数十年ぶりの大雪に見舞われ、交通機関は麻痺状態に。春節(旧正月)の帰省シーズンと重なったため、多くの出稼ぎ労働者が足止めを食らった。だが、政府の迅速な対応により、その一部は短期間で復旧を遂げ、帰省客への影響は最低限に抑えられた。

チベット・ラサで3月14日に起きた騒乱では、ヒマラヤ山脈に抱かれたこの高原都市に世界中の視線が注がれた。数か月後に行われたオリンピック精神の象徴である聖火リレーでは、各地で妨害行為が発生。中国政府の統治能力が大いに試された。

5月12日には四川省アバ・チベット族チャン族自治州[シ文]川(ぶんせん)県を震源にマグニチュード(M)8の巨大地震に見舞われ、壊滅的な被害を受けた。政府が発表した統計によると、死者・行方不明者は8万7000人以上。震災後に中国政府が見せた開放的な姿勢は、国際世論から高い評価を得る。それまでチベット騒乱への批判一色だった中国報道は、一斉に中国政府の救援活動に対する賛美の声に塗り替えられた。だが、この未曾有の震災は過去の多くの不正行為を暴く。学校の多くは倒壊し、無数の子供達が尊い命を失った。人々は悲痛に暮れると共に手抜き工事の横行に批判の声をあげた。

人間の本質というのは貪欲だ。北京五輪後に起きた数々の深刻な食品事故は、人々にそのことを改めて思い出させた。粉ミルクのたんぱく質含有量を多く見せかけるため、製造業者は有毒化学物質メラミンを混入。乳児6人が死亡し、被害者総数は30万人に上った。

中国経済は今年、引き続き改革路線を推進、世界中から高い注目が集まる中、「全面振興」を実現した。中国の経済総量はある時期、ドイツを抜いて世界第3位に浮上したという見方もある。

下半期には金融危機が世界中を席巻。多くの外国政府は、高い経済成長を続ける中国を世界経済の救世主と位置付けた。だが、年末に近づくにつれ、13億の人口を誇る大国、中国にも弱い一面があるという事実を世界中に知らしめることになる。この国が直面する挑戦は依然厳しい状態だ。

北京五輪の成功は、開催前から囁かれていた疑いの声に見事な反撃を食らわせた。開会式で見せた勢いのあるパフォーマンスは、今でも多くの人の目に焼き付いているだろう。「五輪開催を成功させることは、中国人民の100年の夢」と北京理工大学経済学教授で政治評論家の胡星斗(フー・シンドウ)氏は語った。

聖火リレー期間中は様々な妨害行為が繰り広げられたが、それがかえって中国人のナショナリズムに火をつけた。9月には有人宇宙船の打ち上げに成功。米国ロシアに続く世界3番目の成功に、中国人のナショナリズムは頂点に達した。

3月に行われた台湾総統選では、親中派の馬英九(マー・インジウ)氏が当選。60年来停滞していた中台間の経済・文化交流が活発化した。

08年は中国にとって、喜びに値する年でもあり、真面目に反省しなければならない年にもなった。(翻訳・編集/NN)

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