この秋読みたい中国本その4『中国新思考―現役特派員が見た真実の中国1800日』

Record China    2008年11月12日(水) 11時1分

拡大

反日デモやギョーザ事件などで冷え込み続ける日中関係。これらを極めて誠実で公平な視点で見つめる若き日本人特派員によるコラムが、国内で中国人読者の支持を集めたという。このほど、その意欲作が日本でも出版された。写真は著者の藤原大介氏。

(1 / 2 枚)

Record China読書推進協議会では、中国を知るためにこの秋ぜひ読みたい中国本を紹介する。その第4回は、『中国新思考―現役特派員が見た真実の中国1800日』(藤原 大介著、日本僑報社、税込2730円)だ。

その他の写真

日本を覆う「嫌中」。中国に燻る「反日」。「暖かい春の旅」と呼ばれた今年5月の胡錦濤訪日後も、国民感情が冷え込んだままの日中関係。そんな閉塞状態の中、人権問題やチベット問題など中国の「陰の部分」、反日デモやギョーザ事件など日中の「敏感な問題」に真正面から斬り込み、中国人の幅広い共感を得た日本人によるコラムが話題となっている。このほど、それらを編纂した書籍が日中対訳版として日本国内でも出版され、巷にあふれる中国関連の書籍の中でひときわ異彩を放っている。

若きチャイナ・ウォッチャーであり、現役の中国特派員である藤原大介氏が手がけた「中国新思考―現役特派員が見た真実の中国1800日」(日本僑報社)は、生の「日中関係論」である。収録された原稿の大半はまず中国語で書かれ、中国国内の雑誌に掲載。日中間の「微妙な問題」に日本人が物申す、というきわめてリスキーな切り口ながら、中国人読者の広い支持を得た。

中国きっての日本通である中国社会科学院の劉志明主任は、藤原氏の中国を見つめる視線に誠実さと公平性があると評価し、「日本メディアの中国報道の中では『希少資源』だ。日本の人々の中国理解に役立ったと同時に、中国人が自己観察する上で良い『鏡』となった」としている。

本書は「一方通行」の議論に終始し、決して交わることのない日中メディアの現状に風穴を開ける可能性を秘めている。嫌中と反日、あるいは日中友好―両極端に振れる従来の未熟な関係を超えた、「成熟した日中の将来像」がこの本の中にある。

■著者プロフィール:藤原大介(ふじわら だいすけ)

チャイナ・ウォッチャー。03年秋、「史上最年少の特派員」として、JNN(TBS系)北京支局に赴任。日中関係が激動し、中国が飛躍的に発展した過去5年間を、中国報道の第一線で活躍した。(Record China読書推進協議会)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携