歩けない家族が3人…83歳の老婆が支えた山村の極貧家庭に光―湖南省石門県

Record China    2008年10月6日(月) 10時6分

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山深くに閉ざされた村に暮らす極貧家庭。夫も息子も孫も歩けない障害を負ってしまった周さんは、83歳になる現在までたった1人で一家を支えてきた。その苦難の歴史に、光が差した。

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「こんなごちそう、もう10年以上も食べてないわ…」。山深くに閉ざされた人知れぬ村に暮らす1人の老婆が、テーブルいっぱいに並んだ料理を前に、感慨深げにそうつぶやいた。

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今年83歳になる周丙年(ジョウ・ビンニエン)さんの暮らしは、「安楽な老後」とは程遠かった。それどころかこの10年来、その年老いた小さな肩に「たった1人で一家を支える」という重責を背負っていたのだ。

周さんの暮らす湖南省石門県は、見捨てられたかのようなさびれた山村。多くの人は山の向こう側の世界を知らずに一生を終えていく。そこにつつましく暮らしていた周さん一家は、苦難の歴史を辿ってきた。周さんの夫は20年前、63歳のときにけがによって半身不随となり、46歳になる息子は10年前から原因不明の病気を患い、四肢が不自由となってしまった。一家の働き手を失った周さんはその時から、朝も晩も畑を耕し、家事もこなし、働きづめの暮らしだった。

さらに不幸は重なる。10年前に生まれた孫の斌(ビン)くんは、先天性の骨粗しょう症で歩くことができず、学校にすら通うことができない毎日を送っている。斌くんが生まれてほどなくして、苦難に耐えかねた母親は蒸発した。

一家の収入源はトウモロコシとジャガイモの売り上げだけ。財産と呼べるものは体重50kgのブタ1頭だけ。そんな極貧家庭に光が差したのは今年の春。年初に深刻な雪害に見舞われたこの地に、地元の党委員会書記が見舞いに訪れたことがきっかけとなる。一家の惨状を目にして心を痛めた彼は、すきま風にさらされた彼らのあばら家を建て替え、あちこちから寄付を募って斌くんらの治療費を調達した。そしてお腹いっぱいごはんをたべてもらおうと、溢れんばかりのごちそうで一家を見舞ったのである。

長年の労苦が報われた周さんは胸がいっぱいで、せっかくのごちそうも喉を通らないのであった。(翻訳・編集/愛玉)

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