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「買って買って買いまくる」衝動的な買い物の後、使っていない商品を家庭内でどのように処理するかが頭の痛い問題になっている。こうして中古品取引が越境EC、生鮮食品EC、新小売に続くEC分野の新たな「戦場」になった。
「買って買って買いまくる」衝動的な買い物の後、使っていない商品を家庭内でどのように処分するかが頭の痛い問題になっている。こうした動きをうけて、中古品取引が越境EC、生鮮食品EC、新小売に続くEC分野の新たな戦場になっている。これまで約1年にわたり運営されてきた京東傘下の中古品取引ブランド「拍拍二手」がこのほど正式にオープンにこぎ着け、ここ最近さまざまな動きをみせる不用品取引プラットフォームのアリババの「閑魚」や58同城の「転転」と正面から矛を交えている。「北京日報」が伝えた。
▽京東は市場シェア獲得を目指す
拍拍二手の王永良社長は、「現在、『拍拍二手』はぜいたく品、ピアノ、携帯電話、コンピューター、デジタル製品、衣類・アクセサリー類、書籍など高級品から一般商品まで115品目を取り扱い、企業約150社が出店する」と説明する。同時に、「拍拍二手」は「淘車」との戦略的協力を発表し、中古車市場への進出も明らかにした。
これまで中国の中古EC市場は大手2社に独占される状態が続いていた。データサービス会社モバイルクエストが発表した「中古取引産業観察報告」によると、2017年末現在、中国の中古不用品取引産業のユーザー規模は4千万人に迫り、転転と閑魚が市場シェアの90%を占める。閑魚は阿里巴巴(アリババ)が打ち出した不用品取引プラットフォームで、転転は58同城の傘下にあり、今年4月には騰訊(テンセント)が2億ドル(約227億円)を出資した。そしてこのたび3C製品(コンピューター、通信関連製品、消費電子製品)やオフライン物流などで優位性をもつ京東が市場に進出したため、「2大手の独占状態」に変化が生じた。総合的中古品取引プラットフォームだけでなく、細分化された分野を得意とする垂直型中古品取引プラットフォームも数多く登場した。各種ソーシャルネットワーキングサービスのチャットでも、中古品取引の話題がよく取り上げられている。
▽中古品取引がECにパワー付与
実際には、58や■(そうにょうに干)集網を代表とする早期中古品取引情報サイトは数年前からあり、中古品取引自体は決して新しいものではない。それがなぜ今、大手が次々に力を入れるようになったのか、ひいては中古品市場を次の戦略の要となる市場と考えるようになったのか。
中古車取引プラットフォームで豊富な経験をもつ関係者は、「中古品市場でちゃんと売れるからこそ、消費者は購入時に何の心配もなく購入に踏み切ることができる。たくさん買い物した後には、中古品取引や不用品取引が買い物の仕上げの段階になる。中古品取引を通じて不用品を売ってしまえば、また新しい宝物を買うエネルギーが生まれる。中古品取引プラットフォームはこのようにしてECの今後の発展の原動力の主な担い手になった」と説明する。
「中国再生資源回収産業発展方向2017年」によれば、16年には中国の冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ、パソコンの生産量は10億台に迫り、そのうち17%しか適切に回収されていない。16年の中国の衣類・繊維製品の消費量は2480万点で、このうち適切に回収されるのは10.9%に過ぎない。国務院発展研究センターの周宏春研究員は、「中国は世界2位のエコノミーであり、所得水準が向上すると、どの家庭でも不用品が増えた。こうした資源を有効に活用するシェアリングエコノミーが新しい経済の業態となっており、発展の可能性は極めて大きいといえる」との見方を示す。(編集KS)