監視カメラの動画実況配信を停止、住宅内にも設置されサービス提供企業に批判―中国

Record China    2017年12月24日(日) 23時10分

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中国のインターネット企業、奇虎360科技(360公司)は20日、同社が提供していた監視カメラ映像の一般向け動画実況配信サービスを停止すると発表した。写真は監視カメラ。

中国のインターネット企業、奇虎360科技(360公司)は20日、同社が提供していた監視カメラ映像の一般向け動画実況配信サービスを停止すると発表した。学校、幼稚園、さらには飲食店、ホテル、下着販売店、賃貸住宅などのさまざまな場所での映像が配信され、プライバシー侵害との声が出ていた。

360公司が「水滴直播(水滴実況)」とのサービス名で映像の配信を開始したのは4月。まず学校や幼稚園での映像が配信された。同社は幼稚園における児童虐待事件を受け、幼稚園への監視カメラの無償提供も進めた。

監視カメラの導入と動画配信はさらに進み、飲食店、ホテルのロビー、プール、マッサージ店、下着販売店、さらに短期賃貸住宅内からの動画配信も発生したという。撮影される人が気づいていなかった場合も多いとされている。

すでに発生していた批判が、「92年生まれの女性から周鴻●(ジョウ・ホンイー、●はへん部分が「示」、つくり部分は「韋」)氏へ:もう私たちを見つめないでください」と題する12月12日の投稿がきっかけで、さらに「燃え上がる」ことになった。周氏は360公司の創業者で現在も会長。同投稿は、360公司は動画の撮影場所に実況配信をしている旨を表示するよう求めているが、実際には野放しと指摘。飲食店従業員に、スマートフォンで実況されている様子を見せたところ「知らなかった」と答えたなどと紹介した。

投稿者の陳菲菲(チェン・フェイフェイ、実名であるかどうかは不明)さんは、米国の華字メディア、多維新聞の取材に対して、北京市内の飲食店で年配の男性と若い女性が食事をする姿が配信され、「愛人ではないだろうな」「父と娘だ」などの投稿が殺到した例もあったと説明した。

360公司は20日、「水滴直播の支配人の反省」と題する文章を発表し、同サービスの即時停止を発表した。サービス開始の動機は、2014年に独居高齢者が室内で感電死したり、認知症で食事を取らずに餓死した事故があったことと説明。死亡が発見されるまで10日以上がたっていたとの悲惨な事故を受け、再発を防止する考えがあったと論じた。

また、農村部に設置された例では、畑や豚の飼育小屋を撮影して販売促進に役立てたり、宣伝のために利用した商店もあったと主張。

ただし、撮影・動画配信をする場合には、カメラの設置者と、その旨を表示する覚え書きを交わしているのに、表示されていない場合があることを確認したと説明。公共の場所で撮影された動画の配信が、一部の人に影響を与えたことは事実として、サービス運営側として「過ちを認めねばならない」として、実況サービスを停止すると表明した。

360公司によると、幼稚園に対する撮影カメラの無償提供は、保護者が自分の子の状態を確認する助けになるとして、今後も継続するという。

中国では自宅に監視カメラを設置し、外出時に室内を確認するケースも増えているが、ソフトウエアへの不正侵入による被害も発生している。

9月2日付中国新聞社電によると、浙江省麗水市景寧県で、違法ソフトを用いて家庭内に設置されているWebカメラに侵入して動画を撮影する事件が発生した。1000世帯以上を撮影し、一部をわいせつ画像として流出させたとして、容疑者1人の逮捕が許可されたという。被害に遭った家庭は浙江省だけでなく、雲南、江西などにも広がっていた。(翻訳・編集/如月隼人

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