マニラに「フィリピン人慰安婦像」、今度の姉妹都市は横浜市=大阪市は米サンフランシスコの設置に抗議、関係解消宣言

Record China    2017年12月16日(土) 13時50分

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マニラに初の「フィリピン人慰安婦像」が設置された。米サンフランシスコ市に建てられた慰安婦をめぐっては大阪市がこれに抗議し、姉妹都市の解消を宣言した。マニラの姉妹都市は横浜市で、今度は同市との関係にも“飛び火”するのか。写真はマニラ。

2017年12月15日、フィリピンの首都マニラに初の「フィリピン人慰安婦像」が設置された。米サンフランシスコ市に建てられた慰安婦をめぐっては大阪市がこれに抗議し、姉妹都市関係の解消を宣言している。マニラの姉妹都市は横浜市。今度は横浜市との関係にも“飛び火”するのか。

比メディアなどによると、像が建てられたのはマニラ湾に面したロハス大通り沿いの遊歩道の一角。台座を含めた高さは約3メートルで、目隠しをされた民族衣装の女性が湾側から市内側に向いて立つデザインとなっている。日本大使館からは北に約3キロの場所だ。

像は学者らで構成し、歴史的建造物への碑文設置などを行う政府機関の「フィリピン国家歴史委員会」(NHCP)が設置。太平洋戦争中に旧日本軍の性暴力の被害を受けた女性たちの悲劇を語り継ぐのが目的で、中華系の「トゥライ財団」や比人元慰安婦と支援者の団体「リラ・ピリピーナ」などの協力を得て造られた。

台座には「メモラーレ(記憶)」とのタイトルの下に「1942〜45年の日本統治下で虐待の被害にあったすべての比人女性の記憶である。彼女たちが自身の経験を語りだすまでに、何年もの月日を要した」と記されている。太平洋戦争開戦日の8日に除幕式が行われ、その後マニラ市に引き渡された。

これに対し、菅義偉官房長官は12日の記者会見で「諸外国における慰安婦像の設置はわが国の立場と相いれない極めて残念なことだ」と指摘。フィリピン政府に設置の経緯などを確認するとともに、日本政府の立場を申し入れたことを明らかにした。菅官房長官は「日本とフィリピンは長年にわたって真の意味の戦略的パートナーであり、本件についてもフィリピン政府とよく相談して対応したい」とも付け加えている。

一方、サンフランシスコ市では今年9月、中心にある聖マリア広場で慰安婦像の除幕式が行われた。中国、韓国、フィリピンの若い女性3人が手をつなぐ造形は当時の慰安婦を象徴している。同市議会は11月14日、この慰安婦像と維持費用を市に寄贈するという民間団体の要望を受け入れる決議と9月22日を「慰安婦の日」とする議案を可決している。

同市と姉妹都市関係にある大阪市の吉村洋文市長は「不確かな主張があたかも歴史的な真実として書かれている」として市有化に抗議したが、受け入れられなかったため、姉妹都市関係の解消を宣言。サンフランシスコ市のエドウィン・M・リー市長が急逝したことに配慮し、来年6月に市長選が実施された後、新市長に対して正式に解消を通知するという。

マニラ市と横浜市が姉妹都市提携したのは1965年7月。提携50周年の15年9月には林文子市長がマニラ市議会で演説するなど交流を深めている。(編集/日向)

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