「リメンバー・ミー」と「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の命運を分けた口コミ評価

人民網日本語版    2017年12月13日(水) 14時50分

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各社の映画作品がしのぎを削る中国の年末シーズンに、海外アニメ映画2作品がその映画史上の話題を「席巻」してしまうことになろうとは誰も予想できなかっただろう。しかし、その2作品は全く異なる売り上げの推移を見せている。

各社の映画作品がしのぎを削る中国の年末シーズンに、海外アニメ映画2作品がその映画史上の話題を「席巻」してしまうことになろうとは誰も予想できなかっただろう。しかし、その2作品は全く異なる売り上げの推移を見せている。ディズニー/ピクサー最新作「リメンバー・ミー」の上映開始当時の評判はそれほど高くなかったが、最近になって穴馬中の穴馬といった売り上げを見せている。一方の「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」(以下、「打ち上げ花火」)は、売り上げがかなり伸びると見られた予想に反し、口コミ評価が芳しくなく、売り上げは下降線をたどっている。片方は売り上げが上がり、もう一方は下がったこの状況は、口コミ評価が売り上げを大きく左右することを再度市場が明らかにして見せた事例と言えるだろう。北京日報が伝えた。

5歳の娘の母である袁さんは、「幼稚園の保護者たちの間でここ数日、『リメンバー・ミー』の話題が持ちきりだったので、見ないと話題についていけなくなると思い、この週末に子供を連れて急いで見に行った」と冗談交じりで話す。同映画は大陸部で上映されると、「社会現象」を巻き起こすほどのアニメ映画になった。同映画はディズニー傘下のピクサーが手がけた19番目の作品で、メキシコの「死者の日」を題材に、音楽を愛する少年・ミゲルと落ちぶれたミュージシャンのヘクターが神秘に満ち溢れた美しい「死者の国」で奇妙な冒険を繰り広げるというストーリー。

同映画の売り上げが追い上げることになったカギは口コミ評価。同映画の情報コミュニティーサイト・豆瓣での評価は9.1ポイントを上回っており、涙を誘うストーリーや生と死というテーマ、そして心揺さぶる美しい音楽が多くの人を魅了している。

映画アナリストの張志遠氏は、「同作品のストーリーは決して奇抜なものではなく、ストーリー中のエピソードの多くも観客が予想できるような内容なのだが、物語の構成が非常に素晴らしく、さらに、映画の売り上げを伸ばす根本的な要因となる『家族の絆』をテーマにしている。この映画は中国の国産アニメ映画の制作に対し、一つの啓示を与えている。それはつまりオーソドックスで誰もが知っているものを素晴らしく作り上げることが大事だということだ。真摯な感情で観衆の心を打ち、ストーリーをしっかりと構成し、シンプルな世界観を生み出すこと、ただそれに尽きる」との見方を示した。

同映画だけでなく、「打ち上げ花火」も輸入アニメ映画で、有名な日本人監督である岩井俊二氏の同名ドラマをリメイクした作品。同映画はずっと「君の名は。」の主要スタッフが制作に携わったことを売りとしており、岩井俊二氏もこの映画のPRイベントのためわざわざ北京まで駆けつけた。初日の売り上げは1000万元(約1億7000万円)を突破し、昨年中国で5億7500万元(約97億7500万円)もの興行収入を上げた「君の名は。」の再来となることが当初は期待されていた。

しかし、蓋を開けてみると、「打ち上げ花火」は上映初日の劇場1カ所あたりの上映率が23%だったにもかかわらず、2543万元(約4億3600万円)の売り上げにとどまり、予想を遥かに下回った。その根本的な原因は口コミ評価があまりにも優れなかった点にあり、現時点において豆瓣での評価はわずか5.2ポイントとなっている。同映画の美しいアニメーションも、ストーリーや登場人物のキャラクターのつまらなさを救うことができず、「君の名は。」とは比べものにならない完成度だと嘆く観客が少なくない。(編集YK)

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