中国のブルーカーボン研究、世界の先端を走る―中国紙

環球網    2017年12月9日(土) 5時10分

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中国国家海洋局は2017ブルーカーボン国際フォーラムを開催し、多数の名高い国際専門家や機関とともに、中国ブルーカーボンの発展現状と未来像について検討を行った。資料写真。

植物が光合成で二酸化炭素を吸収し、固定する炭素は「グリーンカーボン」と呼ばれる。これは人々に知られているだろう。だが、「ブルーカーボン」という言葉を聞いたことがある人はまだ少ないだろう。地球の表面は海洋に覆われている。「ブルーカーボン」は海洋活動や海洋生物を利用して大気中の二酸化炭素を吸収し、海に貯蔵するプロセスとメカニズムのことを指している。このほど、中国国家海洋局は2017ブルーカーボン国際フォーラムを開催し、多数の名高い国際専門家や機関とともに、中国ブルーカーボンの発展現状と未来像について検討を行った。人民日報海外版が伝えた。

▽自然条件に恵まれている

海洋は二酸化炭素を固定し貯蔵する大きな宝庫である。藻場、マングローブ、塩分を含んだ沼は3つの大切な海岸ブルーカーボン生態システムと認められている。2009年に国連が発表した報告では、海洋がグローバル気候変化とカーボン循環の過程において重要な役割を果たしていることが確認された。中国は300万平方キロメートルの管轄海域、1万8000キロメートルの海岸線および670万ヘクタールの沿岸湿地を有しており、また藻場、マングローブ、塩分を含んだ沼といったブルーカーボン生態システムも持っているため、ブルーカーボンの発展に広いスペースを提供した。中国の海水養殖生産量は長年世界1位で、貝類や大型藻類の生産量は総生産量の約85%を占め、大量の二酸化炭素を吸収できるのみならず、海水を浄化することもでき、また優質な食べ物と工業原料も提供できるのだ。

▽ブルーカーボンの役割は?

海洋は地球の約93%の二酸化炭素を貯蔵しており、およそ40兆トンもあり、地球最大の二酸化炭素貯蔵体である。また、毎年30%以上の大気に排出された二酸化炭素を吸収できる。海岸地帯の生物の数は陸地の生物のわずか0.05%だが、毎年の二酸化炭素吸収量は陸地の植物とほぼ同じである。

▽海洋生態の健全性を促進する

現在、中国のブルーカーボンに関する研究はすでに世界の先端を走っている。不完全な統計データだが、この10年、中国の複数の部門が30以上のブルーカーボンに関する科学技術研究プログラムを行い、一連の高い成果を生み出した。ブルーカーボンを発展させることは生態システムの健全性と安定を促進し、海洋生態保護レベルを高めることにつながる。また、将来的に市場メカニズムを導入し、現存の保護構造を変えることを通して、ブルーカーボンの発展は地方政府や企業、社会の生態保護に対する積極性を高めることもできるのだ。

また、ある専門家によると、ブルーカーボンの発展は気候変化に対応する重要なルートだ。ブルーカーボンは二酸化炭素排出削減措置以外の実行可能なルートだとしている。

▽試行を穏やかに推進する

現在、ブルーカーボンは発展のチャンスを迎えている。「第13次5カ年計画・温室気体排出作業方案」では、「海洋などの生態システムの二酸化炭素吸収メカニズムの試験地点を模索し展開させる」という要求が提出された。また、「主体功能区戦略と制度の完全に関する意見」では、「ブルーカーボン標準システムと取引メカニズムを模索し成立させる」という案が打ち出された。

ある専門家は、今後はブルーカーボンを発展させることを沿海地域の持続可能な発展を支える重要なルートの一つとし、ブルーカーボン生態システムの保護と回復を強化し、海岸地帯の自然景観を再建し、海洋生態プログラムやブルーカーボン技術サービス、二酸化炭素取引などの「ブルー経済」の新業態を育て、沿海地域の生態上の強みを資産と経済的な優位に転化させることを提案している。(提供/環球網・編集/黄テイ)

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