中国経済が深刻な「ウオーター・クライシス」に直面、その影響は世界規模に―英紙

配信日時:2018年3月6日(火) 12時50分
中国経済が深刻なウオーター・クライシスに直面、影響は世界規模に
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中国経済が水不足、「ウオーター・クライシス」に直面している。水不足がもたらす経済的、社会的、政治的危機は人口男女比や債務膨張などの問題よりもさらに深刻だという。写真は中国の農村。
2018年3月2日、英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国経済が水不足、「ウオーター・クライシス」に直面している。水不足がもたらす経済的、社会的、政治的危機は人口男女比や債務膨張などの問題よりもさらに深刻だという。

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国際的な基準では、国・地域で1人当たりの年間に使用可能な水資源量が1700立方メートルを下回ると「水ストレス」の状態となり、500立方メートルを下回ると「絶対的水欠乏」と見なされる。ここには歯磨きに使う水から原子力発電所に使われる水まですべてが含まれる。

記事によると、現在の中国では、1人当たりが年間に使用可能な平均水資源量は2000立方メートル。しかし、その8割は南部にあるそうだ。北部の8省が深刻な水資源不足に陥っており、さらに4省の水資源は不足しているという。しかもそれらの省は農業生産や発電、工業生産などで全国的に極めて重要な存在でもあるという。

記事によると、北京と天津、河北省は人口1億1200万人を擁するが、その水資源量は深刻な水不足の警戒ラインを大きく下回る。中国では過去25年で2万8000本の河川が消失し、地下水位も年々低下。北京の一部では地盤沈下が発生し、黄河は水量が1940年代の10分の1にまで減少。汚染問題が水不足を助長させるなどの事態も起きているという。

中国政府は南部の水資源を北部に輸送する「南水北調プロジェクト」のほか、海水の淡水化プロジェクトも進めているが、それでも根本的な改善には至っていない。同プロジェクトのすべての水資源を北京と天津、河北省に注ぎ込んだとしても同地域の水不足は改善に至らないという。また、海水の淡水化はエネルギー消費が激しく、現実的ではないそうだ。

中国政府は循環型社会への転換や汚染対策、かんがい事業、耐乾性農作物の開発などを進めているが、そのペースは遅いという。

中国の水資源不足は今後、農産物の価格や技術開発、貿易、投資、雇用、移民など、国際的にもさまざまな情勢に大きな影響を与えることが予想されると記事は伝えている。(翻訳・編集/岡田)
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