朝鮮相撲、ユネスコの無形文化遺産に、最近は衰退で「日本の相撲人気復活に学べ」と韓国紙

Record China    2018年12月8日(土) 15時30分

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朝鮮半島固有の相撲「シルム」がユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まった。国民的スポーツとして人気を集めていたシルムだが、最近は衰退している。韓国紙は「日本の相撲人気復活に学べ」と訴えている。写真は大相撲。

2018年12月7日、朝鮮半島固有の相撲「シルム」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることが決まった。かつては国民的スポーツとして人気を集めたシルムだが、最近はすっかり衰退している。韓国紙はシルムの進むべき道として「日本の相撲人気復活に学べ」と訴えている。

シルムは2人の競技者が組み合い投げを打ち合って勝敗を競う。土俵はなく、相手の膝から上を地につけると勝ちとなる。4世紀の高句麗時代の壁画にもシルムのような競技が描かれているという。

1983年には財閥企業がスポンサーになって実業団選手による大会「民俗シルム大会」が始まり、韓国国内各地で大会が行われてテレビ放映もされ、当初は人気を博した。しかし、1997年のアジア通貨危機によるチームの解散、テレビ中継の中止や異種格闘技に人気が移ったことなどが重なり、シルムの人気は低下していった。

ユネスコには韓国が「大韓民国のシルム」、北朝鮮は「朝鮮民主主義人民共和国のシルム」として別々に申請。政府間委の評価機関がそれぞれに対し、登録を勧告していた。

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談が行われるなど南北融和ムードが高まる中、ユネスコのアズレ事務局長は10月に文大統領とパリで会談した際、南北共同登録に取り組むよう提案。ユネスコ側が北朝鮮の同意を得るなどして急ぎ共同登録の形に再調整され、11月末、初の南北共同登録が決まった。

シルムの現状について、朝鮮日報は「今ではいつ、どこで大会が開催されるか、天下壮士(横綱に相当)が誰なのか知っている人を見つけるのも難しいほどだ」と指摘。日本の大相撲を例に「ファンに近づく努力をしなければ生き残れない」と呼び掛けた。

記事は、八百長事件で危機意識を持った日本の相撲界が苦心の末に出した答えは、力士とのハグや子どもたちの相撲体験といった「ファンとの親睦だった」と報道。「日本相撲協会はツイッターなどのソーシャルメディアを通じて毎日10件以上、写真や記事を投稿する。場所中の様子だけでなく、力士たちの日常も写真で紹介し、ファンに親しみを持ってもらうようにした」などと説明した。

さらに「高齢の観客が大部分のシルムとは違い、相撲は最近、着物姿の若い女性ファンも多い」と言及。「スー女(相撲+女子)と呼ばれるこうした女性ファンたちは、ソーシャルメディア投稿にも熱心で、相撲PR大使を自任している」とも伝えた。

同紙によると、大韓シルム協会は2016年から「シルム再建プロジェクト」を推進中。韓国シルム研究所のパク・スンハン所長は「相撲を見ると、儀式をしているような崇高な印象がある。シルムも伝統を思わせ、さらに品格のあるものにしなければ、ファンも魅力を感じられないだろう」と関係者の努力を促している。(編集/日向)

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