J−11B戦闘機を南シナ海・領有紛争の島に配備、恒温格納庫も建設―中国メディア

Record China    2017年11月30日(木) 12時30分

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中国中央電視台は29日、パラセル諸島ウッディー島に恒温密閉の格納庫が建設されたとして、自国空軍のJ−11B戦闘機が収用される様子を紹介した。写真はJ−11。

中国中央電視台(中国中央テレビ)は29日、自局動画サイトで同国空軍のJ−11B(殲−11B)戦闘機が南シナ海上空で編隊訓練を行い、同戦闘機がパラセル諸島ウッディー島(西沙諸島永興島)に建設された航空機用の恒温密閉の格納庫に納められる様子を紹介した。パラセル諸島は中国とベトナムが領有権を主張しているが、現在は中国が全域を実効支配している。

報道は、J−11Bの南シナ海の編隊飛行について「空戦訓練であり、遠洋環境に適応し部隊の作戦能力を向上させるため」と紹介。訓練には中国南部の某軍事飛行場を利用したJ−11Bが「数機」参加したとした。動画では、J−11Bが急旋回したり低空を飛行する様子も紹介された。

動画では、複数のJ−11Bが着陸し、少なくとも1機が格納庫に収容されたことを確認できる。中国中央電視台は「J−11Bが永興島の恒温密封格納庫に進駐した初めての画面」と紹介した。

航空機用格納庫について「恒温性」などが注目されているのは、米国のF−22ステルス戦闘機についてだ。性能を維持するために恒温恒湿の格納庫が必要で、膨大な予算を伴うことがF−22の大量配備が困難な理由のひとつになったとされる。

中国が永興島に建設した格納庫については「恒温密封」とされており、「恒湿性」についてはあいまいな部分があるが、中国は、「F−22にも匹敵する性能」として新たに開発したステルス戦闘機J−20(殲−20)の南沙諸島配備を念頭に置いている可能性がある。

パラセル諸島については、20世紀になってから中国が領有権を主張したが、初めて実効支配に着手したのはフランスだった。フランスは保護国(事実上の植民地)としていたベトナム側からの「古来からベトナム領だった」との報告などを領有権の根拠とした。その後、日本が領有権を主張し1939年までに占領した。日本はそれまでに、サイパン、パラオ、トラックなどの諸島を国際連盟の委任統治領として支配するなど、南洋諸島へ広く進出していた。

第二次世界大戦の敗戦により日本が南洋諸島全般の領有権を放棄すると、パラセル諸島については中国が東部の島を、ベトナム共和国(南ベトナム)が西部を実効支配することになった。中国は1974年に軍事行動を起こし、ベトナム軍を駆逐してパラセル諸島全域を実効支配し始めた。

ベトナムはパラセル諸島について「自国領を軍事力で奪い取られた」としており、同諸島をめぐる問題はベトナムにおける反中感情の大きな原因のひとつになっている。中国が「恒温密封」の航空機格納庫を建設したことが、ベトナムを改めて刺激する可能性がある。(翻訳・編集/如月隼人

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