化学大手・東レも不祥事 日本製造業に再び打撃

人民網日本語版    2017年11月29日(水) 16時40分

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総合化学メーカーであり炭素繊維複合材料で世界最大のシェアを誇る日本の東レ株式会社は28日に東京で記者会見を開き、子会社の東レハイブリッドコード(東レHC)が製品の強度に関するデータを改ざんしていたことを認めた。

総合化学メーカーであり炭素繊維複合材料で世界最大のシェアを誇る日本の東レ株式会社は28日に東京で記者会見を開き、子会社の東レハイブリッドコード(東レHC)が製品の強度に関するデータを改ざんしていたことを認めた。23日に三菱マテリアル株式会社でデータ改ざんが発覚したのに続き、日本の製造業にとって今月2件目のデータ改ざんの不祥事となった。新華社が伝えた。(文:劉秀玲)

▽公表するつもりなかった

東レは1926年に創業した、日本の大手化学製品メーカーで、繊維や樹脂などの化学製品の製造加工を主業務とし、炭素繊維複合材料、情報通信材料の製造分野では世界トップだ。中国、タイ、マレーシアなどに子会社があり、従業員は世界全体で4万6千人を超える。

東レHCは産業資材用繊維の製造加工を主業務とする。東レの日覚昭広社長が28日の記者会見で説明したところによると、2008年4月から2016年7月にかけて、東レHCは累計149回のデータ改ざんを行い、問題ある製品を顧客13社に納入していた。内部調査の結果、東レHCは顧客の要求する仕様を満たすため、製品検査の段階で自動車用タイヤのカーカスに使用される繊維製品・ポリエステルコードの強度データを改ざんした。カーカスはタイヤのゴムを保護し、走行時の張力のバランスを取る役割を果たし、高い強度が要求されるという。

日覚社長によると、すでに昨年7月、東レHCはデータ改ざんの事実を把握していたが、今になって公表したのは、今月初め頃から、インターネットに(東レのデータ改ざんに関する)噂が流れるようになったためだ。会社としては、噂が広がるより事実を公表した方がよいと判断した。情報の整理や顧客への事情説明などに時間がかかったため、このタイミングで公表することにしたという。

日覚社長と東レHCの鈴木信博社長は同日の記者会見でそろって謝罪した。だが日覚社長は、データ改ざんは「法令違反ではない」との見方を示し、神戸製鋼所の不祥事が発覚しなければ、公表するつもりはなかったことをうかがわせた。

▽「メードインジャパン」への信頼を懸念

日本誌「週刊文春」の28日付報道では、「東レHCは(日本)国内の全タイヤメーカーに(ポリエステルコード)製品を供給しており、万が一、リコールとなればその被害は甚大になる」が、東レHCに取材を申し入れると、「(対象の顧客13社のうち)11社への説明が完了しており、これまでのところ安全性に問題があるとのご指摘はいただいておりません」との回答が返ってきたという。

日本の菅義偉官房長官は28日にこの問題についてコメントし、「極めて遺憾だ。公平な取引の基盤を揺るがす不正事案であ」ると述べ、日本のものづくりを支えてきた素材産業で大企業による同様の不正が相次いでいることに懸念を示した。

また管官房長官は、「調査結果を共有し、同様の事案が他で起きないよう取り組むことが大事だ。日本企業の製品は世界で高い信頼を得ている。この信頼を裏切ることがないよう、産業界全体で取り組んでほしい」と求めた。

日本放送協会(NHK)は、「検査データの改ざんは神戸製鋼や三菱マテリアルの子会社でも明らかになっていて、日本の素材メーカーへの信頼が問われる事態となってい」ると伝えた。

東レの2016年度の売上高は2兆265億円、純利益は994億円に上った。不祥事の影響で、28日の東京証券取引所では開始早々に東レの株価が急落し、一時は8%以上下落した。(編集KS)

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