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<コラム>日本仏教 パパはお坊さん1

配信日時:2020年2月2日(日) 16時10分
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「えっ? お坊さんに子どもがいるの?」「お酒も飲むし、肉も食べるの?」と、中国・朝鮮の方々は思うらしい。東南アジアの僧侶も目を剥くらしい。「まあ、日本の仏教は、世界の仏教界の中で独特」なのだ。

「えっ? お坊さんに子どもがいるの?」

「ええっ? お酒も飲むし、肉も食べるの?」

「えええっ? 世襲なの?」

と、中国・朝鮮の方々は思うらしい。東南アジアの僧侶も目を剥くらしい。

「まあ、日本の仏教は、世界の仏教界の中で独特」なのだ。

中国は共産主義国なので唯物論的思考をするが、仏教禁止と言うことはない。現在は認められている。

この中国に仏教が伝わったのは、定説としては紀元前後の漢の時代という。

ちょうどインドでは、菩薩が活躍し、仏の慈悲を説き、一般の人である在家が主体となる「大乗仏教」が勃興し始めていた。

この教えが、ガンダーラや中央アジアから中国に北回りで伝わる。

これを「北伝仏教」という。このルートで、その後、密教や有名な「空」「唯識」思想も入ってくる。

中国には儒教や道教も存在していたので、仏教と混交し「初七日」「四十九日」「盆」の供養と言ったものも生まれる。

この大乗仏典はもの凄い量がある。俗に八万法蔵という。唐の時代の三蔵法師などが持ち帰ったのが有名だ。

三蔵法師とは、そう、あの「西遊記」で有名な玄奘三蔵は実在の方である。もちろん「孫悟空」などは、お話。

中国では一度にたくさんのお経が入ったので、これを天台智ギといった偉いお坊さんたちが分類整理していった。

それが日本に入ってくる。聖徳太子が『法華玄義』をあらわしたとされているが、「法華経」(妙法蓮華経)が、哲学的で最高位になっている。

日本では、仏教は国家の安泰-鎮護国家を願うための、当時の先進国、中国の最高思想である。僧は、国家公務員であり、いまで言えば東大の先生のような役割になった。漢文を自在に扱うのだから、秀才ばかりである。一般社会には普及していない。

日本にはその昔から、総てに神宿る「神道」思想があった。

ここまでは、僧の妻帯とか、世襲とかいったことはない。

劇的に変化するのは、平安時代末期からである。

荘園が新興の武士に盗られていく。日本列島は地質学上の激動期に入ったらしく、地震などが頻発し、天候不順で飢饉なども頻発する。

平安時代に日本は独特の思想を生み出していくが、中国では三階教が末法思想を生み出す。末法では仏教が失われる。中国では浄土教も盛んになる。この世は穢土だ。早く極楽へ行こう、ということらしい。

この思想が平安時代末期に拡大する。自然災害が起き、貴族政治は不安定で、京都の河原には死骸が山のようにうち捨てられた。

芥川龍之介の小説、また映画にも何度かなった『羅生門』という悲惨な物語の時代背景が平安末期である。

日本では「末法」という時代に1052年に入ったとされる。

源信という僧が『往生要集』で浄土教とともに、地獄思想を広める。

賽の河原・三途の川・地獄の釜・針の山・等活地獄・えんまの裁き。生きている社会も飢饉などで地獄のようだから、人々はせめて来世は「地獄」は困ると考える。

法然が「浄土宗」をたてる。宗旨は激烈である。「捨閉閣抛」といって「念仏」以外の他宗派は信仰してはならないとした。

法然の弟子の親鸞は「浄土真宗」の祖となる。また後の鎌倉時代には日蓮が「法華宗」「日蓮宗」を興して、「四箇の格言」をいう。他宗派は「地獄に墜ちる」といった教えである。

釈迦の教えに近い自ら悟る「禅宗」は自己鍛錬の厳しさから、武士階級中心に広まる。

世情が不安定で、餓死者が無数に出たような社会であったから、教えも強烈であったのであろう。

街には「聖」(ひじり)が現れて仏教を説き、同時に社会事業もした。口から小さな仏が出ている「空也像」は有名である。

この中で、親鸞は革命的僧侶である。妻帯し、子どももいた。従って、現在日本の最大の仏教宗派である浄土真宗は、この時代から妻帯は許されている。 続く

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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