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<コラム>トイレ異聞

配信日時:2020年1月10日(金) 21時0分
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些か、尾籠なお話になる。中国の子どもが、まあ所構わず放尿…するといった「事件」だ。顔をしかめる方もいるかも知れないが、確かに日本では昔から余りそういうことはおきていない。写真は日本のトイレ。

些か、尾籠(びろう)なお話になる。食事時に読むのは避けていただきたい。

最近、減ってきている。中国でのマナー違反である。特に、子どもが、まあ所構わず放尿…するといった「事件」だ。

顔をしかめる方もいるかも知れないが、確かに日本では昔から余りそういうことはおきていない。島国、狭い平地にひしめき合っているのだから、所構わずは困る。

もっとも最近の日本の都市部では、困っているのは「お犬様」だ。団塊世代が生まれ育った高度成長期以前は、都市部といっても、未舗装の道路は沢山あり、空き地や雑木林も多く見られた。神戸市の私の家も犬を飼っていたが、現在のように、犬の大便の後始末のビニール袋とスコップは必要なかった。

人間様も、なんとか人家から離れて、こっそりと、という場所も少しはあった気がする。顔をしかめないで欲しい。それくらい空間があり、ゆったりとしてある意味雑な世界だったのだ。田舎には、人糞とか落ち葉などを堆肥にするコエツボも多数あった。団塊世代は「田舎の香水」(笑)(悲)と言っていた気がする。

不衛生だから、我々団塊の世代は「虫下し」を飲まされていた。つまり、寄生虫卵が肥料から野菜などにうつり、人間に、ということが日常茶飯事であった。

こんな風に書くと、まあ中国も日本も大同小異かと思われるかも知れない。しかし、我が国の場合は比較的、清潔であったようだ。江戸時代は庶民の長屋には、共同便所があった。郊外はともかく、そこら中にという光景はないようである。国土の小ささ、空間の狭さもあったろうが、衛生観念は発達していたようである。

中国のことばかりに目が行くが、西洋でも同じことだ。『ベルサイユのばら』はきれいなお話だが、ベルサイユ宮殿の時代は、外での排泄が普通だし、街中では、窓から外へ排泄物を捨てていた。14世紀から19世紀にかけてのペストの大流行の一端は、こう言う衛生観念にあったとも言われる。

もともと人口が少ない時代は「厠(かわや)」の語源である「川屋」も多くあった。溝や川の上にトイレを設置した「水洗トイレ」である。南方の国々では設置場所によって排泄物で、魚などを飼っている場合もある。実際、こう言う排泄物はきれいに発酵させたり純化すれば再利用可能なのだ。ほら、宇宙ステーションの中では…。

かような次第で、我が国は些か分離が徹底して、無菌・完全処理のような時代になっている。近隣の国々は、いま急速にそれに近づきつつある。我が国としては、これを隔離しないで下水処理場で再生し生態系に上手く戻す方向に進むだろうと考えている。その技術は、輸出して経済的にも役立つことになる。広域水道などの進展が遅々としているが、もっと国中心に力を入れてもいいだろうと思う。

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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