なぜ?世界中で反響を呼んだ「me too」運動が韓国で広がらない理由=韓国ネットも納得「まだそのレベルに達していない」

Record China    2018年1月17日(水) 9時20分

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16日、昨年からハリウッドを中心に大々的に広がっているセクシャルハラスメント被害告発運動「me too」。韓国でも最近、性犯罪の被害女性たちが同様の運動を起こしているが、全く拡散されていないという。写真はソウルの南大門市場。

2018年1月16日、昨年からハリウッドを中心に大々的に広がっているセクシャルハラスメント被害告発運動「me too」キャンペーン。「私も」という意味の「me too」というハッシュタグを付けてSNSに投稿するというキャンペーンで、世界中で大きな反響を呼んでいる。実は韓国でも最近、性犯罪の被害女性たちが同様の運動を起こしているが、全く拡散されていないという。その原因について、韓国・MBCが報じている。

7日にビバリーヒルズで開催されたゴールデン・グローブ賞授賞式は、例年のような華やかなドレスを着た有名女優らの姿はなく、ほとんどが黒いドレス姿で登場し、受賞スピーチで性的暴行や虐待、男女差別などの問題を訴えた。

これは、メリル・ストリープやリース・ウィザースプーンなど映画やテレビで活躍する約300人の女性が138億ウォン(約14億円)を寄付して設立した団体「タイムズアップ」の初の公式活動。同団体は職場内の性的被害や不平等に積極的に対応するために設立された。「暴露」中心だった「me too」キャンペーンが、積極的に対策を講じていく組織的運動に進化したものだという。

韓国でも最近、性犯罪を告発する運動が積極的に行われているが、社会運動に発展させられずにいるという。その理由について、MBCは「有名女優らが相次いで参加した米国と違い、韓国では若い学生や新入社員といった社会的弱者が運動の中心であることに注目すべき」と指摘している。

職場の上司からセクハラ被害を受けたというキムさんは、MBCの取材に対し「つらい体験が夢にまで出てきて、自殺したい衝動に駆られることもある」と明らかにした。しかし、加害者は軽い処罰を受けただけで、被害者であるキムさんが解雇されたという。キムさんは「性犯罪は権力の問題なので何の力もない平社員はどうすることもできない。考えた末にたどり着いた最終手段がインターネットで訴えることだった」と述べた。

また、韓国では文化芸術界に蔓延していた性的暴力問題もオンラインでの告発を通じて公になった。しかし、勇気を出して被害を告白した数十人の女性のうち、多くが名誉棄損(きそん)などの罪で逆告訴されたという。

MBCによると、加害者らがこのような「反撃」に出られるのは、被害者らに対する社会の偏見が原因という。ある文化人からセクハラ被害を受けたというイさんは「(韓国社会には)セクハラを受けた女性側にも問題があると考える人がとても多く、逆に私が恥ずかしい思いをした」と述べた。こうした偏見が被害者を孤立させ、社会的な連帯を阻止する“障害”になっているという。

最後に記事は「韓国の女性の人権、法や制度は勇気ある被害者たちの告発によって少しずつ発展してきた」とし、「韓国内で叫ぶ『me too』の声はまだ弱く見えるかもしれないが、勇気ある叫びによって、性犯罪が『みんなで共に対応しなければならない問題である』という連帯意識が強くなると期待している」と伝えている。

これについて、韓国のネットユーザーからは多くのコメントが寄せられているが、「韓国社会はまだそのレベルに達していない」「米国は有名な男性俳優まで協力しているが、韓国は司法部までが性接待を受けている。期待する方がおかしい」「韓国は絶対無理。警察に相談したら『かわいいから悪い』と言われる国。いっそのこと米国の警察を輸入してほしい」「明らかな証拠があっても被害者が加害者になってしまう世界だ」「韓国の女優が同じことをしたら、被害を告白した本人が恥ずかしい思いをし、メディアの“エサ”になるだけ」など韓国の現状を嘆く声が多く、諦めモードが漂っている。

その他「韓国も性犯罪者への処罰が強化され、性犯罪が再発しない国になってほしい」と願う声、「本当のフェミニストは男性に何かをしてくれとねだる人ではなく、自立して自ら問題を解決できる人のこと。これを勘違いしている韓国人女性が多い」と指摘する声、「韓国は韓国。なぜ世界の動きに合わせなければならないの?」と主張する声なども見られた。(翻訳・編集/堂本

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