<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・五輪に向け、自動券売機導入…とまどう市民

Record China    2008年6月10日(火) 20時33分

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6月9日から、北京市内の地下鉄駅で、一斉に自動券売機と自動改札口の運用がスタートした。これにより、38年間北京市民に親しまれてきた「紙キップ」も廃止された。

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北京五輪に向け、地下鉄もちょっぴり進化…

6月9日から、北京市内の地下鉄駅で、一斉に自動券売機と自動改札口の運用がスタートした。これにより、38年間北京市民に親しまれてきた「紙キップ」も廃止された。

初日は、早朝から、駅員が総動員で乗客の“指導”に当たった。特に「自動券売機」に関しては、市民のとまどいは大きかったようだ。というのも、北京には、“自動販売機”というものがほとんど見当たらない。缶ジュースにしても、タバコにしても、手売りが基本であり、「コインやお札を挿入して、ボタンを押して…」などという動作そのものに慣れていないのだ。

そこで、地下鉄1号線「四恵東」駅でも、朝から乗客のために、駅員が総出で、キップ購入の「指導」に当たったというわけだ。

システムのスタートは、あえて中国の「端午節」による3連休の最終日に設定された。休日のため、朝夕のラッシュはなく、サラリーマンの乗降客が多いこの駅では、大きな混乱はなかったようだ。だが、キップの買い方が分からず、時間がかかって行列の原因を作ってしまう人や、自動改札口のシャッターが開く仕組みに、慣れない人も大勢見かけられた。やはり市民のとまどいは隠せない。

毎朝、出勤のときに、この駅を利用するという馬勇さん(男性・北京市出身)は、お金を入れて、キップのボタンを押すところまで、一つ一つ指導を受けていた。ようやくキップを手に入れた馬さんは、苦笑いしながら、「これで北京も“都市”の一つになったね」と感想を語った。

中国では上海天津深センなどの地下鉄で、自動改札やキップ販売はすでに導入されており、北京は完全に“後塵を拝して”いた。北京五輪を前にした「都市整備」の目玉の一つとして、この「自動化」が行われたというわけだ。

8月までに、市民はしっかりとこのシステムに慣れて、北京五輪のときには、“スマート”にキップを買って、駅に入れるか…併設されている窓口でキップを買い求める人も多く、自動販売機が市民に完全に浸透するのは、なかなか時間がかかりそうだ。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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