<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・北京は連日の真夏日に選手も苦戦?

Record China    2008年5月28日(水) 21時51分

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今日の北京も連日の暑さが続いている。日中の予想最高気温は32度。朝夕も20度近くまで上がり、寝苦しい熱帯夜ももうすぐという感じ。昨日、レースを終えた日本人選手たちが取材ゾーンで、まず必ず口にする言葉が「暑かった・・とにかく暑かった」。写真は北京市内。

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今日の北京も連日の暑さが続いている。

日中の予想最高気温は32度。朝夕も20度近くまで上がり、寝苦しい熱帯夜ももうすぐという感じ。

昨日、レースを終えた日本人選手たちが取材ゾーンで、まず必ず口にする言葉が「暑かった・・とにかく暑かった」。別に北京という地や、競技場に文句をつけているわけではない。春が短い北京は5月下旬から真夏日が続くのは当たり前。だが、日本のこの時期と比べて、相当の暑さだから、思わず恨み節を言ってしまうのだろう。

北京の夏は相当暑い。7月8月にはいると、40度近い“真熱日”が連日続く。40度を超えると、国営企業は職員に対して一定の手当てを支払わなくてはならないため、なぜか、この時期の気象当局の発表は「38度、39度」が多くなる。国営企業の不意な出費?を防ぐため、とでもいうのだろうか。

だが、北京の夏の体感気温は、実はそれほど高くはない。私は以前、日本海側の地域に住んでいたことがあるが、一年を通じて、湿気が多く、夏はサウナのような“重たい”暑さを感じていた。だが、北京の暑さは、日本の多くの地方とは違って、大陸性の乾燥した暑さだ。

こちらでは、真夏の暑さを「サウナ天気」などと呼んだりするが、「サウナ」加減でいうならば、日本の、特に海辺の地区のほうが圧倒的に上だ。そして、暑さの中に、時折、涼しい風がスッと通っていく。この清涼感のある風も北京の夏の特徴だと思う。だから、私にとっては、北京の夏の暑さは決して不快なものではない。(むしろ、冬場の氷点下10度を越える寒さのほうが恐怖だ。)

ところが、この競技場は、形状からいって、風通しはあまりよくない。その分、短距離の選手たちがいうように「変な風が吹かないから、気を使わなくていい」のだが、フィールド上のムッとした感じはより強くなる。「真夏のそよ風」がもたらす一服の清涼感を感じることができないのだ。

ということで、冒頭の“恨み節”が選手から出てくる。確かに、この時期、お椀型の熱がこもる競技場、しかも北京の暑さの中で競技をすることは非常に過酷だ。だが、いうまでもなく、アスリートにとって自然条件を克服することも大切な要素の一つ。地球上に数ある国家の中で、2008年はたまたま、ここ北京がスポーツ祭典の舞台に選ばれた。せっかくならば、北京の暑さ、食や町の環境、空気、人々など全てを「感じながら」、また慣れないことは「克服しながら」8月の大会に臨んで欲しいと思う。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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