普段は理性的な私も思わず…、日本とは不思議な国だ―中国人学生

日本僑報社    2017年10月29日(日) 12時40分

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昨年の流行語大賞にもなった中国人観光客の「爆買い」。そんな爆買いに「悩まされていた」というのは、楽山師範学院の王弘さんだ。資料写真。

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昨年の流行語大賞にもなった中国人観光客の「爆買い」が、最近では下火になってきていると報じられている。一方で、訪日外国人1人当たりの消費額では依然として中国人が最多。実際に日本に来て購入するケースは減っているものの、ネット上で日本製品を爆買いしている中国人もいるようだ。そんな爆買いに「悩まされていた」というのは、楽山師範学院の王弘さんだ。以下は、王さんの作文。

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さて、翻訳しよう。しかし、今回の翻訳は何回目なのか。もう数え切れない。面倒くさいな。最近悩んでいる。「何を翻訳しているの?なぜ悩んでいるの?」。こう聞かれると、もう我慢できない。「爆買いのせいだよ」とカンカンになって答える。

昨日、日本旅行から帰ってきた友達にこう頼まれた。「日本語できるよね?化粧品の使い方の翻訳、お願い」と。今日は、英語科の先生から「ネットで買ったばかりだけど、説明が全然わからないんだ」と頼まれた。大変だ。明日はどうなるのか。天気予報はあるけど、依頼予報があれば助かる。もう商品の使い方、注意事項などの翻訳は勘弁してほしい。

日本語を学んでから4年間。基礎知識、日常会話、一定の日本語能力をつけた。それでも、化粧品、薬、食べ物などの商品説明を訳すことは難しい。まず、外来語が多い。「タマリンド」とか、「アミノ酸」とか、ぜんぜん分からない。そして、専門用語だ。「糊料」「豆みそ」「米みそ」って何だ。ゼンゼン分からない。いちいち調べるのも面倒くさい。しかし、頼まれた以上、調べないといけない。ああ、他人に化粧品の名前を訳すために日本語科に入ったわけではない。そう考えているうち、去年の夏を思い出した。

それは日本への旅だった。東京、岩手、宮島。わずか1週間だったけど、温泉、和食、楽しかった。夜、東京の街を回る。初めての日本旅行だったから、ピカピカの東京タワーを見ながら、日本の美しさに惚れた。「日本はいいな」と思わず言ってしまった。東京タワーの光の下、我々はデパートと免税店で汗を流す。ホテルへの帰りに両手に何個も袋を持ち、バスで体の疲れを味わう。その一瞬、また「日本はいいな」と思わず言ってしまった。

帰国したとき、私はスーツケースギリギリいっぱいの荷物を収穫。友達Aさんも満杯だった。友達Bさんは更に日本でスーツケースをもう一個買った。そして、飛行機で自慢げに「丈夫だし、お買い得だった」と言った。何にせよ、国内では、無駄遣いをしない理性的な消費者である私でさえ、日本では、人間の体内に潜んでいる消費衝動が誘われた。日本は不思議な国だ。何でだろう。難解。経済、政治、心理専門家に任せるべきだ。私ごときはただの学生、こういう分析はできない。

だが、それでも日本語科の学生なりに気づいたことがある。また最初に戻るけど、商品の翻訳だ。日本の商品に良さがあると思っている中国人。そして、商品名、使い方、注意事項などが知りたい中国人。スゴクいいアイデアがある。私は、一人の日本語科の学生として、日本の商品、日本文化に興味を持つ人に初級レベルの日本語を教える。基本的な五十音図から、簡単な文法。教えるのはやさしい。学ぶ方も楽。こうすると、自分で商品に載っている文字が読めるし、分からなくても調べられる。

最近、私の教え子が「日本文化は面白い。もっと知りたい」と言ってくれた。このような人たちが日本語を学んで、それから日本文化に興味を持ち、さらに日本人とコミュニケーションをし、中日交流へ力を尽くしてくれる。私も日本語との4年間の付き合いで日本に興味を持つようになった。自分はどれほど中国人に日本の美しさが伝えられるか自信がない。でも、自分のできる限り、日本語だけではなく、日本に住んでいる人々の優しさも中国の皆さんに教えたいと思う。そう思うと、爆買いもいいことではないかと思えた。(編集/北田

※本文は、第十二回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中国人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、王弘さん( 楽山師範学院)の作品「日本語を学ぼう」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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